尾上菊之助(44)が24日、都内で、「七月大歌舞伎」(同4~29日、東京・歌舞伎座)の第3部「風の谷のナウシカ 上の巻-白き魔女の戦記-」取材会を行った。

19年に新橋演舞場で初演され、歌舞伎座には初登場となる。初演でナウシカを演じた菊之助は、皇女クシャナを演じ、中村米吉(29)がナウシカをつとめる。

役替わりについて菊之助は「歌舞伎の演目は2演、3演となった時、人が変わると作品が深まっていく。クシャナは、ジブリの鈴木(敏夫)さんからもご提案いただいた。米吉さんは前回はケチャを演じていただき、とても情熱を感じていました。清らかなもの、きらめくもの、情熱はナウシカとリンクする」と話した。

米吉は「青天のへきれきとはこのことです」と笑いつつ「菊之助のおにいさんのナウシカ像は歌舞伎におけるナウシカの目指すところではありますが、そこに自分のエッセンスをいかに振りかけていけるか、だと思います」と語った。

原作は宮崎駿氏の連載漫画で、84年に原作の一部がアニメ映画になった。19年壮大な原作の世界が新作歌舞伎として初演され、古典歌舞伎をふんだんに取り入れた演出も話題になった。

菊之助は「初演当時は、マスクをしなくてはいけない時代が来るとは考えなかったですし、戦争のこともそう。ナウシカの世界観が現代に当てはまっている」とした。