「ボヘミアン」などのヒット曲で知られる歌手葛城ユキ(かつらぎ・ゆき)さん(本名田中小夜子=たなか・さよこ)が27日午後2時16分、腹膜がんのために都内の病院で亡くなった。73歳。岡山県出身。昨年4月に腹膜がんのステージ4だと公表していた。

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先月17日に千葉県で開催されたコンサートに出演し、ステージ復帰を果たしたばかりだった。囲み取材は車いすに乗りながら応じてくれた。一言一言、言葉に力を込め、復帰への強い思いを話してくれた。葛城さんは闘病について「精神的な苦しみと、体の痛みと闘うことで、ちょっと逃げ出したいって。でも、自分が頑張って乗り越えないと。復帰宣言しましたから。帰る義務、責任があるので、それで頑張りました」と語っていた。

その後のライブでは、車いすに座ったまま、魂を込め1曲を歌唱した。ステージ後に、「『やっぱりステージはいいね』って思いました。歌うために生まれてきたって」と話し、体調について「しんどいです。心拍数がグッと上がって。(闘病前の姿には)急には帰れないので、少しずつ、1歩ずつ歩み寄っていきたいです」と誓っていた。【佐藤勝亮】