お笑いタレント、ラサール石井(66)が公演中の「スタンダップコメディ・フェスティバル」(17日まで東京・新宿3丁目SPACE雑遊、18日は池林房)に出演する。1977年(昭52)年にコント赤信号を結成してフジテレビ系「オレたちひょうきん族」などで活躍。その歩みについて聞いてみた。

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80年代の漫才ブーム。その最後に「コント赤信号」は間に合った。バブル景気真っ盛り。日本中に金がうなっていた。テレビ界も経費使い放題の時代だった。

「あの頃はね、金がすごくあったんですよ、テレビ局に。僕が大学時代に構成作家をやっていたテレ朝の『チビらサンデー』っていうフォーリーブスの番組があったんです。これの公開録画を八王子でやるんですよ、2本撮り。東京の八王子なのに1泊ですからね。1日はリハーサルだけで終わって、ホテルに泊まっていいもの食べる。次の日に収録して帰って来る。お金なんか、使い放題でね。会議で上の人たちが、今度は島に行こうよとかね。アシスタントにかわいい子を呼んでとか、そんな話ばっかりです(笑い)」

お笑いブームの“最終便”に乗っかったコント赤信号が初めてメインMCを務めたのが、80年開始の日本テレビの『おはよう!サンデー』だった。

「子供たちの『ちびっこマラソン』で、いろいろなところにマラソンをしに行くんです。これは日曜朝6時からの番組ですよ。なのに予算が死ぬほどあるんです。このマラソンの中継のノウハウを、日テレは後に『箱根駅伝』に生かしたんです。確か、中継車をあの番組で作ったんですよ。その中継車に実況の志生野温夫アナウンサーと僕ら、そして解説者が乗ってね。この解説者が、全て各大学の陸上部の部長さん。この繋がりと陸連の繋がりから、今に続く日テレの『箱根駅伝中継』が生まれるんです。だって、それまでマラソンが視聴率を稼ぐなんて思ってないですもん。ダラダラと、みんな意外と見ちゃうんだってことに気づいたんで。その時に俺らは、地方ロケにも行くわけです。地方ロケだから、子供たちも連れて1泊ですよ。スタッフ50人ぐらいで大宴会。で、帰りのバスの中に、こんなでっかい苗木が5本ぐらい横たわっている。『なんですか、これ』って聞いたら『お土産、お土産』って。全部制作費でお土産買ってね(笑い)」

90年にセミリタイア宣言をした“テレビ界の偉人”大橋巨泉が、その後に唯一立ち上げてキャスターを務めた92~93年に放送のテレビ朝日「巨泉の使えない英語」は、スケジュールの計算違いから急きょ、ハワイロケが行われた。

「全部の収録が終わって、巨泉さんはセミリタイア先のハワイだかカナダだかに帰っちゃったんです。そうしたら計算違いで、2週分撮り残しちゃっていた。巨泉さんが『何言ってんだ、俺はスケジュールは変えねえぞ! だったら、2本、ハワイに撮りに来い』って。本当にハワイのちっちゃなスタジオを借りて、日本のセットを切ってスタッフが持って行って、ハワイでまた組み立てて収録したんです。俺らはレギュラーは、すげえなとか言ってたけど(笑い)。巨泉さんのゴルフ大会でも、いろいろなところの協賛があって、ハワイに4日間、全員ファーストクラスで行き帰りでご招待っていう時代でしたからね」

テレビ界が一番華やかな時代。だが、心に残るのは、デビュー前のスーパーアイドルとの出会いだ。

「その時は、まだ赤信号じゃなかった。当時は討論番組とかバラエティーの観客でギャラをくれるバイトが結構あった。それでTBSは深夜の0時になると電気が一斉に消えて、いろいろな番組が同じ時間に終わったの。それで入り口の所に来ると、タクシーに相乗りで帰されたわけ。同じ方面で呼ばれていくと、スタッフもタレントも素人の僕も、みんな一緒くたなんですよ。そうしたら(アイドルの)木之内みどりさん(現竹中直人夫人)と一緒になった。私と、もう1人の3人で。それで近いところに住んでいる人から、落としてくれる。僕は吉祥寺に住んでたんだけど、助手席の人が先に降りた。それで、後ろの座席で、隣が木之内さんで2人っきり。声をかけたかったけど、向こうが先に降りていった。もう、セキュリティーも何もあったもんじゃない(笑い)」

ラサールは15、18日に出演する。(続く)

◆ラサール石井(いしい)1955年(昭30)10月19日、大阪生まれ。芸名の由来になった鹿児島のラ・サール高から早大文学部へ。早大在学中に放送作家として活動を始め劇団テアトル・エコー養成所入所へ。77年に渡辺正行、小宮孝泰とコント赤信号を結成。フジテレビ「オレたちひょうきん族」「平成教育委員会」などで活躍。俳優としてNHK大河「元禄繚乱」、テレビ小説「てるてる家族」「あさが来た」「とと姉ちゃん」、TBS「こちら葛飾区亀有公園前派出所」など。163センチ。血液型O。

▼スタンダップコメディ・フェスティバル

【新宿3丁目・SPACE雑遊】

▽15日午後6時「表現の自由と陰口の自由ナイト」望月衣塑子、清水宏、ラサール石井

▽15日午後8時30分「嘉門タツオナイト」嘉門タツオ、ぜんじろう、インコさん

▽16日午後2時「コメディ・ヒップホップ昼ズ!」いとうせいこう、ダースレイダー、清水宏、ぜんじろう

▽16日午後4時30分「ガチンコオープンマイクスペシャルスタンダップコメディWS&観客参加型オープンマイク」清水宏、ぜんじろう

▽16日午後7時「TVの裏側ナイト」久本雅美、コラアゲンはいごうまん、清水宏、ぜんじろう

▽17日午後2時「スタンダップコメディ・オールスターズ昼の部」立川談慶、長井秀和、林家彦いち、ウエストランド井口、ダースレイダー、清水宏

▽17日午後4時30分「スタンダップコメディ ニューカマーズ」北野誠、ホイップ坊や、高椅洋平(ハウメニピポー)、三上彩音(ベイビーウルフ)、アンナ(ベイビーウルフ)、インコさん、ぜんじろう

▽17日午後7時「スタンダップコメディ・オールスターズ夜の部」長井秀和、居島一平、街裏ぴんく、かもめんたる横尾、ぜんじろう

【新宿3丁目・池林房】

▽18日午後2時「スタンダップコメディGo!池林房」清水宏、ぜんじろう、ラサール石井、インコさん

▽18日午後5時「クロージングセレモニー グランドフィナーレ」清水宏、ぜんじろう、ラサール石井、インコさん、三又又三、ヤノミ(小心ズ)