宝塚歌劇団の雪組スター和希そらが20日、大阪市北区のシアター・ドラマシティで、東上初主演作となる「ミュージカル 心中・恋の大和路」の初日を迎え、近松門左衛門の代表的世話物に臨んだ。大阪公演後には、東京公演(日本青年館ホール)も控える。

遊女の身請けを願う飛脚問屋の主人・忠兵衛。運命の恋におぼれていく様を描く和物の名作は、宝塚ではこれまで瀬戸内美八、剣幸、汐風幸、壮一帆らが挑んできた。人の弱さ、もろさをあぶりだす展開は、理想の男性像を追い求める宝塚スターにとっては難役。歌、舞踊、芝居と3拍子そろう和希ならではの熱演を見せた。

10年入団の和希は、研13(入団13年目)。入団時に配属された宙組から今春、雪組へ移り、今回が前作本拠地作に続き、異動後2作目にして主演。本拠地作以外の「別箱」でセンターを務め、切ない「愛」を表現した。

忠兵衛の思い人、遊女梅川は夢白あや、忠兵衛の友人で米問屋の主人は専科から凪七瑠海。忠兵衛の店の手代は、諏訪さきが好演した。

シアター・ドラマシティは28日まで。東京・日本青年館ホールは8月3~9日まで。