主演の水谷豊(70)が約14年ぶりに寺脇康文(60)とタッグを組むテレビ朝日系ドラマ「相棒 season21」(10月スタート、水曜午後9時)がこのほど、クランクインした。初代相棒の亀山薫(寺脇)が、今度は“5代目相棒”として、杉下右京(水谷)と再び事件を追う。

14年ぶりの再会だったが、寺脇の変わらない“亀山薫ぶり”に、水谷は思わず「おー、亀山くん!」。そう言いながら笑顔で肩を抱き寄せた。その場にいる全員から寺脇に対して「おかえりなさい」の温かい拍手が送られる中、撮影はスタート。右京と薫が再会するという重要なシーンからの始動だった。

“あうんの呼吸”で順調に進んでいく撮影に、寺脇が「14年もたった感じがしないですね」と感想をもらすと、水谷も「ほんとに。亀山くんは2、3カ月サルウィン(劇中で亀山が移住した架空の国家)に行っていたって感じ(笑い)」とうなずいた。真剣な撮影の後でカットがかかると、互いに顔を見合わせ笑い合うなど、和やかな雰囲気の中で撮影は続いた。

「相棒」で、右京と薫の出会いはプレシーズン第1弾(00年6月3日放送)だった。仕事で失態を犯し、“人材の墓場”とやゆされる特命係に左遷された薫を待っていたのが右京だった。02年10月からシリーズ化(連ドラ化)となり、足掛け9年、124話にわたって相棒の関係だった。

薫の最後の出演は08年12月17日放送のシーズン7第9話。友人の遺志を継ぎ、不正がまん延する南アジアの小国サルウィンに移住した。この時に右京は「どうか、気をつけて行ってください。以上です」とはなむけの言葉を贈っていた。

約14年ぶりにタッグを組むことが決まった際、水谷は「過去に戻るのではなく、新たな未来にまた2人で向かうための再会を、右京は淡々と待っていたに違いない」とコメントしている。