米俳優ウイル・スミス(53)が今年3月に開催された米アカデミー賞授賞式でのビンタ騒動について動画で公開謝罪した直後に、コメディアンのクリス・ロック(57)が自身の公演でこの一件について言及したとCNNが報じた。

妻で女優のジェイダ・ピンケット・スミスの容姿をジョークのネタにされたことに激高してロックを平手打ちしたスミスは、先月29日に初めて自らの肉声でロックや家族らに謝罪する動画をSNSに投稿していた。

動画が公開されたわずか数時間後、米ジョージア州アトランタでスタンダップコメディーの公演を行ったロックは、ステージ上で「みんながクソみたいに被害者ヅラしようとしている。もし誰もが被害者だと主張するなら、誰も本当の被害者の声が聞こえない」と述べたという。

スミスの謝罪についての直接的な言及はなかったと言い、誰のことを指しての発言なのかは分かっていない。一方で、その後はレコードレーベル「デス・ロウ・レコード」の共同設立者で、2015年にひき逃げによる死傷事件を起こして服役中のシュグ・ナイト被告を引き合いに、「私はシュグ・スミス(ナイト被告とスミスをかけて)に殴られたって、翌日も仕事に行った。子どもがいるからね」とジョークで会場を盛り上げたという。

ロックは、「言葉が人を傷つける」と言う人は、顔を殴られたことがないとも述べたといい、これらがスミスの謝罪に対する反応である可能性が高いとみられている。

スミスは動画の中で、騒動後にロックに連絡したものの「まだ話す準備ができていない」と返答されたことを明かし、「話す気になったら連絡をくれるでしょう。だから、私はクリスに謝罪を伝えます。私の行動は容認できるものではありあせん。あなたが話す準備ができたら、私はいつでもここにいます」と述べていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)