8日に死去した英国のエリザベス女王の孫ヘンリー王子(37)が、女王の健康問題の懸念が発表された後すぐに滞在するスコットランドへ向かわなかったことが露呈し、謎が深まっている中、父のチャールズ新国王(73)が「妻を連れてくるな」と電話でくぎを刺したことが原因だったと英サン紙が報じた。また、他の王族とともにスコットランドに向かうために王立空軍機に搭乗することも拒否したという。

女王の体調不良が伝えられた直後に夫妻はバルモラル城に向かうと代理人が発表したものの、その後メーガン妃は同行しないと情報筋が明かし、ヘンリー王子は単独で女王の死去が発表された1時間半後にバルモラル城に到着した。

夫妻はこの夜に英ロンドンで行われる慈善団体のイベントへの出席が予定されており、急きょスケジュールを変更したことなどから混乱が生じたためだと情報筋は説明していた。メーガン妃が急きょ同行を取りやめた理由は不明だが、王室批判を繰り広げてきた自身は歓迎されないことを心配した可能性が指摘されていた。

ヘンリー王子は、兄ウィリアム王子夫妻の新居から徒歩圏内にあるウィンザーの自宅フロッグモア・コテージに滞在しているが、兄と合流することなく別行動で単身スコットランドに向かっている。一方のウィリアム王子は、叔父のアンドルー王子やエドワード王子夫妻らと共にロンドンの西端にあるノーソルト空軍基地からスコットランドに向かった。 

その結果、ヘンリー王子がバルモラル城に到着したのは一行の到着から数時間遅れの午後8時ごろだったという。ウィリアム王子らが搭乗した空軍機には空席が12席あったとサン紙は伝えており、全員がウィンザー城に近い場所から出発していたことを考えると、ヘンリー王子は搭乗を許されなかった可能性は高いとみられている。

サン紙によると、女王のベッドサイドからチャールズ新国王はヘンリー王子に電話し、「このような非常に悲しい時にメーガン妃がバルモラルにいるべきではなく、不適切だ」と述べたという。ウィリアム王子の妻キャサリン妃も3人の子供たちの面倒をみるため自宅にとどまっており、最期をみとるのは最も近い家族に限定すべきだとの考えを示し、メーガン妃が来ることは歓迎できないと明確な意思表示をしたと伝えている。

ヘンリー王子は翌朝8時ごろ、他の王族より一足先にひっそりと一人でバルモラル城を後にし、メーガン妃が待つフロッグモア・コテージに戻る様子がキャッチされていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)