福山雅治(53)が12日、福岡市内のJR博多駅前広場で行われた主演映画「沈黙のパレード」(西谷弘監督、16日公開)ファンミーティングに柴咲コウ(41)とともに登場した。

フジテレビ系ドラマから連なる「ガリレオ」シリーズ最新作。13年の前作映画「真夏の方程式」公開以来、9年ぶりとなる福岡での映画キャンペーンに集まった約7000人のファンに「帰ってきたばい、福岡!!」と博多弁で呼びかけた。

3階テラスから見下ろすと、広場を埋め尽くした人の波から、うねるように拍手が起きた。「高所恐怖症で普段は怖くて出来ないけれど、見えない方がいるから前に出なきゃ。今ならダイブできる」。福山は迷わず身を乗り出して手を振った。映画の公式ツイッターで告知したのはこの日の午前4時で、半日強で7000人も集まったことに、福山自身が興奮していた。

「真夏の方程式」の際は、俳優として初のアジアプロモーションとして札幌、東京、名古屋、大阪、福岡、台湾、香港と約1万2000キロを移動した。ただコロナ禍に見舞われた20年以降、ライブ含め芸能イベントが難しくなった。今回のイベントは「拍手で、コミュニケーションという新しいスタイルで何とか全国ツアーもやった」と、コロナ禍の中でもエンタメを守るために闘ってきた福山が、宣伝側の提案を快諾した。

長崎出身だが父方が柳川市、母方が大川市と福岡県にルーツがあったことも大きかった。福山は「映画で帰ってこられるのはコンサートとは違う喜びがある。真のふるさとに帰って来た」と語り、こう続けた。

「エンターテインメントで、これだけたくさんの人が集まれたことが、新しい幸せに向かっていく新たな始まり。新しい日常、新しいエンタメが始まっていったら、いいなぁ。一緒に頑張っていきましょう」。福山と柴咲が、コロナ禍でも負けないエンタメの力と新たな形を福岡から日本に示した。【村上幸将】

◆「沈黙のパレード」 帝都大教授の湯川学(福山)の元に、警視庁捜査一課の刑事内海薫(柴咲)が相談に訪れる。数年前に行方不明になった女子学生が、遺体となって発見。容疑者は、湯川の親友で内海の先輩の草薙俊平(北村一輝)が、かつて担当した少女殺害事件で完全黙秘を貫き、無罪となった蓮沼寛一(村上淳)。蓮沼は再び完全黙秘を遂行し、証拠不十分で釈放され女子学生の住んでいた町に戻ったが、夏祭りのパレード当日に殺害。女子学生を愛していた家族、仲間、恋人…全員に動機とともにアリバイがあった。