前千葉県知事で俳優の森田健作(72)がパーソナリティーを務めるFM NACK5「青春もぎたて朝一番!」(日曜午前6時30分)と、ニッポン放送「青春の勲章はくじけない心」(月曜午後6時20分)に、日本を代表する世界的ピアニストの仲道郁代(59)がゲスト出演する。

仲道はコロナ禍でコンサートが出来なかった苦悩を「何とも言えない不全感(十分に機能・活動していない感覚)があった」と表現。その上で「音楽は耳で聴くものと思われているが、実は皮膚を含めた五感と心でも音を感じ取るものだとあらためて実感した」などと語った。

森田が「以前から1度、お会いしたいと思っていたんです」と話すと、仲道は「思ってもなかったことで、光栄です」と応えた。

仲道は、4歳からピアノを始め、大学1年の時に音楽コンクルールのピアノ部門で1位になったことで「演奏依頼が相次いだ」という。

しかし「まだ、自分の演奏は未熟」だと感じていたことから海外留学を決意。文化庁の海外研修制度「文化庁在外研修員」を利用してドイツに渡った。「ヨーロッパは音に対しての権利意識が強いところだったので学ぶことが多かった」と振り返る。

ミュンヘン国立音楽大学在学中の86年に「ジュネーブ国際音楽コンクール」のピアノ部門で最高位を受賞、ドイツでは最も歴史のあるクラシック音楽コンクール「メンデルスゾーン・コンクール」でも1位、さらに世界3大コンクールの1つである「エリザベート王妃国際音楽コンクール」でも入賞した。

「コンクールは毎年やっているものではないですからね。ある意味でオリンピックのようなもので、その時の巡ってくるタイミングのようなものもあった」と振り返る。その上で自らを「ピアニストになるために生まれてきた」とも。さらに「ピアニストには試験があってなれるわけではないので、やはり地道な努力を積み重ねるしかない。私の場合はもともと山があったら登りたい性格でしたから練習は全く苦になりませんでした」。

だが、その一方で「ピアノは楽器の中で唯一、赤ちゃんが触れても、ちゃんと音が出る楽器なんです」という。

「『言霊』と言う言葉がありますが、音にも魂があるのです。たとえ、初心者の方が鍵盤に触れても、その時の気持ちや魂が、うまいとか下手とかは関係がなく音に乗ります。それを知るためにも、ぜひピアノと戯れてほしいと思います。ピアノが持つすてきな音の響きに自分の気持ちを乗せて、ぜひ多くの方々に味わっていただきたいと思います」と持論も語った。

放送はFM NACK5は10月2日と9日、ニッポン放送3日放送。

なお、仲道は10月29日に東京・上野の東京文化会館で「ピアノ・リサイタル 前奏曲-永遠への兆し」も予定している。