昨年9月に84歳で亡くなった劇画家さいとう・たかをさんの「お別れの会」が29日、東京・帝国ホテルで行われた。

漫画家のちばてつやさん(83)、里中満智子さん(74)、秋本治さん(69)らに加え、俳優舘ひろし、「釣りバカ日誌」で知られる北見けんいちさん、政治家の麻生太郎氏(82)、東京都の小池百合子知事(70)、大相撲の安治川親方(43=元関脇安美錦)らも出席した。主催者によると、約330人が参列した。

安治川親方は、さいとうさんの生前に「現役最年長」との共通ワードで対談をしたこともある。相撲好きで知られるさいとうさんは安治川親方のファンで「鬼平犯科帳」には安治川親方によく似た力士が登場したこともある。昨年9月29日には自身のブログで「相撲がとても好きという事で対談させていただいたことを思い出していました。楽しそうに相撲のことを語っている姿。断髪式が延期にならなければ、断髪式に来てくださったのかななど色々と考えてしまいます。先生の書いた作品は永遠です。改めて読み返してみます。先生、ありがとうございました」とつづっていた。

祭壇は白を基調とした花で彩られ、「ゴルゴ13」の単行本約80冊も並べられた。祭壇脇には「ゴルゴ13」「鬼平犯科帳」などの劇画も飾られた。

◆さいとう・たかを(本名・齊藤隆夫)1936年(昭11)11月3日、和歌山県生まれ。代表作に「鬼平犯科帳」「仕掛人藤枝梅安」など。「ゴルゴ13」で75年に第21回小学館漫画賞、02年に第31回日本漫画家協会賞・大賞を受賞。03年に紫綬褒章受章。04年に再び「ゴルゴ13」で第50回小学館漫画賞審査委員特別賞受賞。10年に旭日小綬章受章。19年には名誉都民。同年に第23回手塚治虫文化賞特別賞を受賞。21年に正六位受位。22年度の第51回日本漫画家協会賞・文部科学大臣賞受賞。