米リアリティー番組「カーダシアン家のお騒がせセレブライフ」で知られるタレントで実業家のキム・カーダシアン(41)が、暗号資産(仮想通貨)を違法に宣伝したとして告訴された米証券取引委員会(SEC)と3日、和解し、罰金などとして126万ドル(約1億8270万円)の支払いに同意したことが明らかになった。SECは、カーダシアンは報酬を受け取っていたことを公表せずに暗号資産イーサリアムマックスを自身のSNSで宣伝していたとし、証券法違反行為であるとして提訴していた。

イーサリアムマックスに関して昨年、自身のインスタグラムのアカウントに投稿していたカーダシアンに対し、SECは25万ドルの報酬を受け取ったことを開示しなかったと指摘していた。カーダシアンは、罰金のほか不正に得た利益、判決前利息を合わせた126万ドルの支払いに同意したと米NBCニュースなど複数のメディアが伝えている。

SECのゲンスラー委員長は、「米連邦証券法では、仮想通貨証券を宣伝する有名人や個人は、対価として受けとった報酬や出どころ、性質などを公表しなくてはならないと明確に定めている」とコメントしている。EMAXトークンの購入方法を投資家に指南するイーサムマックスのウェブサイトのリンクを投稿していたカーダシアンは、SECの調査結果について否定も肯定もしていない。

カーダシアンのインスタグラムのフォロワーは約3億3100万人で、ツイッターのフォロワーは約7400万人にのぼる。カーダシアンは、今後3年間は仮想通貨証券の宣伝を行わないことにも同意したという。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)