テレビ朝日系情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)が19日、放送され、安倍晋三元首相の国葬に関する事実誤認発言で出勤停止10日間の謹慎処分を受けた報道局社員の玉川徹氏が、処分あけ後、初出演した。

コメンテーターを務める玉川氏は番組冒頭で、あらためて発言を謝罪した。

同局によると、今後も肩書は「コメンテーター」のまま。現場に足を運んで取材をするが、その内容をスタジオで報告することもあり得るという。

羽鳥の「玉川さんの10日間の謹慎処分が昨日で終わりました。ここで、玉川さんから説明、おわび、そして今後についてです」とあった後で、本社内の報道フロアにいる玉川氏がブルーのスーツの黒ネクタイで登場。硬い表情で「おはようございます。今回の私の事実誤認のコメントにより、ご迷惑をおかけした電通、および菅前総理大臣に対し、あらためておわび申し上げます。このような事実に基づかない発言をテレビでしてしまったということ、それは私の慢心とおごりがあったからだと反省致しました。申し訳ございませんでした」と頭を下げた。

その後、「謹慎の10日間、私は事実確認の大切さ、テレビで発言することの責任の重さを考え続けました。そして、事実確認こそが報道の根幹である。その原点に立ち返るべきだと考えました。これまで私はスタジオでさまざまなニュースに対し、コメントを続けてきましたが、これからは、現場に足を運び、取材をし、事実確認をして報告する。その基本にもう1度立ち返るべきだと考えました。そして、この結果は、この『羽鳥慎一モーニングショー』の中でお伝えする。そういうふうな考えに私は今回、至りました。この間、報道局幹部とも話し合いを続け、このような私の考えを理解してもらいました。視聴者の皆さまにも、ご理解いただけるとありがたく存じます。今後、このような形で仕事を続けて参りますが、ご支援のほどよろしくお願い致します」と言って再び頭を下げた。

その後に羽鳥が「はい。玉川さんのコメントでした。基本に立ち返るというのは、玉川さんの思いであり、テレビ朝日の考えであり、私も同じ思いです。これから玉川さんは現場に足を運びまして、取材をして、玉川さん独自の目線で取材、そして分析をして番組で報告をするという形をとらさせていただきます。番組をご覧になっている皆さまの信頼を回復できるように、これからもしっかりと番組作りをすすめてまいりたいと思います」と話した。

処分は4日に発表され、5日の番組で、MCのフリーアナウンサー羽鳥慎一(51)が「今日から玉川さんが10日間の謹慎処分になりました。放送10回分の出演禁止ということになります。今回玉川さんの発言によりまして、ご迷惑おかけしました各方面の方々、そして不快な思いをされました各方面の方々、さらに視聴者の方々、大変申し訳ありませんでした」と謝罪。さらに「なぜ今回このような発言になったのかの説明を改めてするべき、そして謝罪をするべきだというふうに私は思っております」とした。

玉川氏は9月28日の同番組で、安倍元首相の国葬で行われた菅義偉前首相による弔辞読み上げに関して「(広告大手)電通が入っている」などとコメント。だが、翌29日に同番組内で「事実ではありませんでした」と発言を訂正し謝罪した。

同局は10月4日の定例社長会見で、玉川氏を含む社員3人の処分を発表。玉川氏は「謹慎」(出勤停止10日間、5日から)。上司である報道局情報番組センター長と番組センターCP(番組担当)は「けん責」処分とした。篠塚浩社長は、玉川氏が誤解をした理由について「本人によると、臆測によるさまざまな情報を入手して、誤解をしてしまった」と説明。「本人は深く反省しています」と話した。