吉岡秀隆(52)が26日、都内で行われた主演映画「Dr.コトー診療所」(12月16日公開)完成報告会見に登壇した。人気ドラマシリーズの16年ぶり続編。約3年前に中江功監督から話を持ち掛けられた際は「僕の中では、ありません」と当初続編を演じる考えがなかったことを明かした。
そして「(監督が)消えていない火をたき付けてくれた。頭も真っ白になって時間がたって、もう1度、戻れるんだろうかと自問自答の日々」と、医師コトーこと主人公五島健助を演じるまでの葛藤を語った。
その裏には03年7月期にフジテレビ系で放送された、連続ドラマ第1期の企画段階に抱いた「何かを背負っていないと、コトーは自転車で坂を上れない。悲しみ、背負うものが何か分からないとコトーになれない」との思いがあったという。また同時期に「決して色あせることがないドラマを作る」と誓いを立てたことも明かした。
同シリーズは第1期が最高視聴率22・3%、06年の第2期も同25・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。日本ドラマ史に残る作品を、新作として届ける意味のある企画を中江監督から提案されたという。過疎高齢化が進む志木那島と近隣諸島との医療統合話が持ち上がり、島を出て拠点病院で働かないかと提案され、悩むコトーを描く、現代社会が直面する問題が織り込まれた物語だった。
吉岡は「コロナ禍で監督自身、考えたこと含め、いろいろ話した。僕も最初の32、33歳の時と、50歳になってから気持ちも変わった。不安定で不安な時代になったからこそ、こういう先生にいてほしいと思えるようになった」と語った。
柴咲コウ(41)演じる看護師彩佳も妻になり、妊娠7カ月を迎えるなど物語の時も流れたが共演者、スタッフとの変わらぬ絆が背中を押した。「みんなで同じ汗、涙を流した、僕にとっても大事な役と作品。皆さんが新しい役を吹き込んでくれた。色あせていなかったとつくづく思った」。再びコトーになった吉岡がそこにはいた。【村上幸将】
○…映画から参加したKing&Prince高橋海人(23)は「僕の至らなさに打ちのめされ、悔しくて準備しての繰り返し。限界突破、120%頑張った」と振り返った。レギュラー陣の筧利夫(60)と小林薫(71)との共演シーンを20~30テイクも繰り返し「生きた心地がしなかった」と語った。同じく新メンバーの生田絵梨花(25)は「たくましくなきゃいけないとか表情からヒント、ひらめきをいただきました」と柴咲に感謝した。中江監督は「完結編。最初で最後の映画化」と、シリーズにピリオドを打つ考えを示した。
◆「Dr.コトー診療所」 累計発行部数1200万部超の山田貴敏氏の同名漫画が原作。本土からフェリーで6時間かかる西端の島・志木那島に、東京からやって来たコトーこと五島健助が、島のたった1人の医師として島民全ての命を背負う。長い年月をかけて信頼関係を作り上げ、島にとってかけがえのない存在となる物語。フジテレビ系で03年第1期、06年第2期が連ドラで放送。04年1月に特別編、同11月に「Dr.コトー診療所 2004」もそれぞれ2夜連続で放送された。今回は脚本も連ドラ全作を執筆した吉田紀子氏が担当し、連ドラ第2期で俳優を引退した富岡涼も1作限りで復帰。



