米映画「タイタニック」(1997年)の主題歌などで知られるカナダの歌手セリーヌ・ディオン(54)が、スティッフパーソン症候群と呼ばれる非常にまれな神経疾患と診断されたことを明かし、世界ツアーの延期や中止を発表した。ディオンはインスタグラムに闘病について語る5分間の動画を投稿し、「長い間健康問題と闘ってきた」と声を震わせながら告白した。

自己免疫疾患の一種として知られるスティフパーソン症候群は進行性の難病で、ディオンによるとかかるのは100万人に1人だといい、「日常生活のあらゆる側面に影響を与えている」という。「時に歩くことも難しく、以前のように声帯を使って歌うことができない」と明かした。そのため、来年2月に予定していた欧州でのツアーを行うことは困難だとし、「子供たちと医師団に支えられながら症状の改善に努めている」と語り、再びステージ復帰できるよう努めていると述べた。現在、スポーツ医学療法士と共に再びパフォーマンスができる力を取り戻すことに専念しているというディオンだが、「苦闘していることを認めなければならない」と現状は厳しいことも明かしている。

米国立神経疾患・脳卒中研究所によると、脳や脊髄などの神経系に影響を及ぼすことで、筋肉の極端な硬直や痛みを伴う胴体や手足のけいれんなどの症状が現れるという。

ディオンは今年1月に重度の筋肉けいれんを理由に3月に予定されていた北米ツアーの中止を発表していたほか、昨年もけいれんを理由にラスベガス公演を延期している。(ロサンゼルス=千歳香奈子)