テレビ朝日系「警視庁アウトサイダー」(木曜午後10時)で、主演の西島秀俊(51)と石田ひかり(50)の共演が話題になった。93年のフジテレビ系「あすなろ白書」以来、30年ぶりの共演だった。2人はこのほど、日刊スポーツの取材に応じ対談。思い出や、今後作品で関わることへの夢などを語った。【小林千穂】

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取材前「ひかりちゃんと2人で取材を受けるって初めてだよね」「そうだね」と笑い合い、雰囲気の良さが伝わってきた。「警視庁-」での初共演シーンはわずかだったが、感慨深いものがあった。

西島 いい意味で、変わってないと思ったよ。現場に入ってくると場が明るくなるし、誰とでも分け隔てなく話してる。そして人間として女性としての深みが増した感じがしたなあ。

石田 ニッシーは昔から本当に優しくて、今回の作品にも人柄が出てるなあって。私は少ししか出演してないからめったに現場に来ないんだけど、すごく気を使ってくれる。話しかけやすくて座長っぽくないところもまたすてき。

西島 それ褒めてるの!? 

石田 褒めてる! ニッシーは何だか遠いところに行っちゃったなって思ってたけど、本当に変わってなかった。それに私はずーーっと見てましたから! 本当に立派になってすばらしいって思ってます。(映画「ドライブ・マイ・カー」で)アカデミー賞に立ったニッシーを見て本当にうれしかったもん。

西島 お母さんかよ~。ありがとうございます。

「あすなろ-」は石田、西島、筒井道隆、木村拓哉、鈴木杏樹演じる5人の学生を中心に、若者たちの恋愛や苦悩などが描かれた。仕事では30年ぶりだが交流は続いていたという。

西島 実は「あすなろ会」というのをちょこちょこ開催していたんです。最後(の開催)はコロナ禍の前かな。大学生が同窓会で会う時の会話と変わらない。ひかりちゃんはあの作品見たよとか、よくメールくれるね。

石田 うっとうしがられるかなと思いつつ、言わずにはいられなくて。

初共演時から役者として認め合ってきたという。

西島 ひかりちゃんは圧倒的に頭が良くて、いろんなことが見えすぎて大変だろうって思ってた。大人になってバランスが取れた形になってるのかな。役もすぐつかんで深められる。

石田 ニッシーこそ、冷静に分析してお芝居していたでしょう。いろんなことを1歩1歩冷静に判断してきた結果が、今の姿だと思うんです。

西島 僕は回り道が多かったし、器用な人間でもない。それを温かく見守ってくれていたとすごく感じてます。

次の共演へ期待も語る。

石田 プライベートで会えることもとってもうれしいんですけど、役を通して関われることが一番幸せ。

西島 (共演場面)足してもらおうか。次か…恋愛は照れくさいな。

石田 共同作業する夫婦がいいな。悪いことする詐欺師夫婦とか!

西島 えっ!? コメディーがいいね。笑いすぎて撮影押すけどいいかな?

 

◆警視庁アウトサイダー テレビ朝日系で1月5日にスタートした刑事ものドラマ。警視庁本庁の組織犯罪対策部から桜町中央署に飛ばされてきた同署刑事課の架川(西島秀俊)は、一見さわやかだが大きな秘密を抱えるエースの蓮見(濱田岳)とコンビを組み、互いを利用しながらも信頼関係を築く。2人と捜査を行う水木(上白石萌歌)の母真由(石田ひかり)の元夫は警視庁副総監(片岡愛之助)。原作は加藤実秋氏の同名小説シリーズ。

◆西島秀俊(にしじま・ひでとし)1971年(昭46)3月29日、東京都生まれ。横浜国大在学中、テレビ朝日系「はぐれ刑事純情派」で俳優デビュー。ドラマは「MOZU」シリーズ、「きのう何食べた?」「真犯人フラグ」など、映画は「シン・ウルトラマン」「ドライブ・マイ・カー」など多数、配信「仮面ライダー BLACK SUN」も話題に。

◆石田(いしだ)ひかり 1972年(昭47)5月25日、東京都生まれ。86年に俳優デビュー。92年、NHK連続テレビ小説「ひらり」でヒロイン。近年のドラマに「きょうの猫村さん」「ファイトソング」など、映画「わたし達はおとな」、舞台「ウェンディ&ピーターパン」など。3月には、舞台「聖なる怪物」、夏に「ピエタ」の上演を控える。