“持続可能な産業”として昆虫食が注目を集めている。牛、豚、鶏などに比べて温室効果ガス排出量や飼料、農地が少なく済み、栄養価でも優位な部分があることなどから、企業が研究や販売などに着手した話を聞くことも多くなった。昨今の昆虫食事情はどのようになっているのか。自宅でコオロギなどを飼育し、食用としても活用しているタレント荒川真衣(28)に、その魅力や今後について聞いた。
荒川は自宅でコオロギをはじめ、甲虫の幼虫ミルワームや、森に生息するゴキブリの一種、デュビアなども加えた約300匹を飼育している。動物も好きで、フェレットとヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)3匹にツノガエルも飼っている。昆虫は約5年前にレオパードゲッコーのエサとして飼い始めたのがきっかけだった。
「エサとしてドライフードも売っているのですが、やっぱり生きている虫をあげた時の方が反応が良くて。食べている姿がいとおしくて、おいしそうに見えてきたんです。最初はコオロギ10匹ぐらいから始めて、勉強していくうちにどんどん興味が沸いてきました」
昆虫のエサ代はほとんどかからない。コオロギは自身の残飯なども食べるといい「持続可能な食生活ができていますね」と笑う。種類ごとにケージに入れて飼育しているが、しばしば“脱走”することもあるといい「布団をめくったらコオロギがいたり、天井についていたり。友人に会いに渋谷に行った時は、上着のポケットにデュビアが入っていたこともありましたね。生きていたので、そのまま持って帰りました。さすがに友達には見せなかったです(笑い)」。
毎年、各地に昆虫観察にも出かけており、昨年末には沖縄・西表島で冬ホタルの一種、オオシママドボタルの生態を調査。現地に持ち込んだコオロギで料理も振る舞ったといい「若い人は昆虫を食べる文化があまりないですが、お年寄りは食べてくれて『おいしい』と言ってくれました。私も現地で食べられているセミのフライを頂いて。おいしかったですね」。
昆虫食はSDGs(持続可能な開発目標)の広がりと共に注目が集まっており「良い流れですね」と歓迎している。海外で家畜のふんによる環境汚染やメタンガスの排出が問題として挙げられていることも説明し「日本はもともとイナゴなど昆虫を食べる文化のある国です。そうした文化があまりない欧州でさえ、最近はスーパーでコオロギのお菓子やチョコを売る時代になってきています」。
掲げる理想はそうした環境面での利点のほか“味”でも昆虫が選ばれるようになること。「おいしければみんな虫だとしても食べると思うんです。環境にいいからと強制的なことにするのではなく、自由にいろんな選択肢がある中で選ばれるようになるとスーパーに昆虫が並ぶ日もくるんじゃないかなと思っています」。
自身のYouTubeチャンネルでは昆虫を使った料理動画なども公開している。初心者にはコオロギをすすめ「主張しすぎてない、日本人になじむ味です」と話した。各昆虫の特徴についても説明し「デュビアは揚げて食べたりします。ミルワームは揚げたり、つくだ煮にしたり。少しえぐみが強かったりするので、上級者向きかもしれないですね。他にも、ざざむしとかは日本ならではの虫なので、おいしいなと思います。以前、亡くなったアトラスオオカブトを食べたことがあるのですが、カブトムシは腐葉土を食べて育っているので土の味がしてあまりおいしくなかったです。そうした特徴もみなさんにもっと知ってもらいたいですね」と力を込めた。
市販の商品にも注目しており、鶏肉の3倍のタンパク質が含まれているというコオロギ粉末でつくられたプロテインバーや、コーヒー、カレーライスなども紹介。昆虫をそのまま食べる気持ち悪さなどから敬遠する人も多いが、そうした“原形をとどめない”商品も多く出回っていることで「イメージは忘れられると思う」と手応えも感じている。
課題はコストと環境面。こうした昆虫は国内外のファームからペットショップが取り寄せて販売したり、最近ではネットショッピングで手に入るようにもなった。今はタイなど海外からの輸入品が多く、国産割合はまだ低い。「本来はもっと安いはずですが、輸入品はどうしても高くなってしまいます。国内のファームが増えて、安く手に入る時代がくること。私も国内のファームさんに直接足を運んで勉強して、みなさんに昆虫食についてもっともっと伝えていきたいです」と意気込んだ。
◆荒川真衣(あらかわ・まい)1994年(平6)4月23日、福井県越前市出身。山間部で育ち、幼い頃から山菜やジビエなどに親しむ日々を過ごしたことで動物や昆虫好きに。現在は看護師として働きながらタレント活動も行い、ABEMAのニュース番組「ABEMAヒルズ」にはコメンテーターとして出演。フェレットワールド公式アンバサダーも務め、SNSでは動物などについて発信。YouTubeチャンネルでは昆虫食の調理映像なども公開している。ツインプラネット所属。愛称まいころ。身長160センチ。



