大泉洋(49)が15日、都内で行われた映画「こんにちは、母さん」(山田洋次監督、9月1日公開)完成報告会見で、今回の撮影現場でも、代名詞とも言われる“ボヤき”を繰り出したかと聞かれ、全力で否定した。

大泉は、山田洋次監督(91)90本目の監督作となった今作で、123本目の映画出演となった主演の吉永小百合(78)が演じた神崎福江の息子・昭夫を演じた。質疑応答の中で「大泉さんは、今回の撮影中、ボヤいたんですか?」と質問が出ると、大泉は「ボヤくなんて、とんでもない! 常に大感動していました」と即時、否定した。

すると、劇中で会社の同僚の木部富幸を演じた宮藤官九郎(52)から「ずっと、ボヤいていました」と突っ込まれた。大泉は、黙っていられないとばかりに「(宮藤が)ボヤいていました。自由奔放に、監督がセリフを足すんですよ。現場で突然『宮藤君、言えと』足され、ボヤいていた」と言い返した。宮藤は「本当に使われるのかなと思ったら使われていた」と笑った。

質問した取材者は、さらに、吉永にも大泉がボヤいたか、確認の質問を入れた。吉永が「(大泉のボヤきは)1度も聞いてません」と答えると、大泉はここぞとばかりに「君、何を言っているんだ! ボヤくわけ、ないだろ!!」と、声を大にした。

大泉は昨秋、行われた撮影が、午前9時に始まり午後5時に終わる、山田組の健全な製作体制にも、すごく感銘を受けたと振り返った。「振り返ると毎日、楽しくて。9時に始まって5時に終わる、普通のサラリーマンみたいに終わるのが、すばらしい。こんな現場はない。うちの娘が『山田組は良かったね』と言うくらい」とたたえた。

「こんにちは、母さん」は、日本を代表する劇作家、演出家で劇団「二兎社」を主宰する永井愛氏の、同名の人気戯曲が原作。妻から離婚を迫られ、人生に悩む会社人間の息子が2年ぶりに実家に帰ると、母が恋人らしき存在がいるなど生き生きしており、自分の人生を生き直そうと共同生活する物語。01年と04年に東京・新国立劇場で上演されると、07年にはNHKでドラマ化。舞台、ドラマともに、加藤治子さんと平田満が母子を演じた。