17年の第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト準グランプリの俳優富樫慧士(21)が、舞台「ハイスクール・ハイ・ライフ2」(谷健二氏演出、東京・新宿 R'sアートコートで17日開幕)で、初舞台初主演を果たす。初の大舞台となる富樫に、このほど今作への思いを聞いた。

3月上旬、都内の稽古場。取材部屋までの廊下を歩いていると、稽古でせりふを言い合うフレッシュな声が、ドアの外まで聞こえてきた。男子校を舞台に、謎のタイムリープ世界の中で演劇部の復活を目指して奮闘する物語。演者には富樫をはじめ、ブレーク必至な若手俳優がそろう。富樫は舞台出演も初ながら、演出の谷氏の期待も受け、主演に抜てきされた。

「せりふ覚えられるかなとか、普段はライバルとして活動している同世代の役者たちばかりだったので、打ち解けられるかなとか、最初は少し不安でした」

11人のキャストは、全て男性。「みんなで議論して打ち解け合って、回数を重ねるごとにどんどん面白くなってきています」と次第に絆も深まっており「11人でしかできない舞台にしようと決めているので、かなうようにしていきたいですね」と意気込んだ。

昨年8月に上演した前作の続編で、歌やダンスのほか、ゲームの要素も含まれるエンターテインメントショーとなっている。観客とともに盛り上がっていく部分も特徴で「稽古していても、お客さんがいればさらにおもしろくなるなと感じています。今回も盛り上がると思います」と語る。

設定は前作のダンス部から演劇部へと変わった。富樫自身は、学生時代はバスケットボール部に所属。当時の雰囲気を思い出しながら演技にも盛り込んでおり「この舞台は高校生のわちゃわちゃ感が大事で、その中でタイムリープの設定もあり、問題を解決していきます。今回の経験は今後も絶対生きていくと思うので、上演期間を通してさらに成長できたら」と力を込めた。

抜てきした谷氏は稽古を通して見る富樫について「とにかく好青年。キャリアを見るとてんぐになってもおかしくない年頃だが、稽古場に一番に現れ、初日からせりふもしっかりと入っている」と評価する。富樫も谷氏とは「いろいろと演技について聞くこともあります」と明かし「今回の機会をいただけたように、チャンスをくれる周りの方にも感謝しています。最高な舞台をお届けしたい」と語った。

心強い応援もある。出演にあたって、地元山形の友人らにも1人1人直接電話をかけて観劇オファーを送った。「LINEだと気持ちは伝わらないと思って電話しました。話した中の80%くらいの人は来てくれると言ってくれて。ありがたいですね」。

他にも約2年前に出演したテレビ朝日系「仮面ライダーセイバー」や、ジュノンの関係者からも連絡を受けているといい「お世話になった方ばかりです。ジュノンの時は16歳とかで『親目線で見ちゃう』と言われて。もうそんなにたつんだと、グッとくるものがありました。精いっぱい頑張りたいです」。

しっかりと気を引き締め、思い出深い初主演作を演じきる。

◆富樫慧士(とがし・えいじ)2001年(平13)6月27日、山形県生まれ。17年「第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で1万7293人の中から準グランプリに選ばれ芸能界入り。高校卒業後の20年3月に上京し、同年のテレビ朝日系「仮面ライダーセイバー」で役者デビュー。特技はバスケットボール。身長178センチ。血液型A。