メッケル憩室がんに罹患(りかん)したことを公式サイトで公表したシンガー・ソングライターのKAN(60)が18日、レギュラーを務めるラジオFM COCOLOの「KANと要のWabi-Sabiナイト」(土曜午後6時)に出演し、自らの口で病気について報告した上で「演奏に関しては今後、未定です」などと報告した。

KANは冒頭「今日はですね、私、KANから、大変にしゃれにならない、全然しゃれになってない重要な…」と切り出し「とても深刻な病気が見つかりまして、それはいわゆる、がんが見つかってしまいました」と話した。

経緯について「(昨年)10月20日におなかが痛くなったんですよ。これは恋の病かなと思ったんですけど」と明るく振る舞いながら、「胃の痛い感じ、それがず~っと何週間も続いて、おかしいかなと思って、近所の内視鏡クリニックをインターネットで探して。胃カメラをやったところポリープが三つある。けれども検査に出して『良性です』と」と当初の診断を明かした。

胃薬を飲み酒も控えたが、病状は変わらず、「ずっと痛かったんです」とKAN。そのため別の病院でCTスキャンを撮ったところ「おへその横に腫瘍らしきものが写っている」と診断され、大病院を紹介されたという。PET検査や超音波検査、内視鏡診断の結果、大腸は異変なし。「影があるというのは分かっているけど、それが何なのかどこなのか、というのは検査ではいくらやっても特定できなかったんですね」と診察を振り返り「『これは手術で疑わしき組織を取って検査するしかない』となり…」と腹腔(ふくくう)鏡手術を行ったことを説明した。

おへその周りなど4カ所に手術痕が残ることも明かし、「いろんな検査で予想したのと全然違うことが起こっていて。『メッケル憩室』という、小腸から食べ物の流れとは別に関係ないのが飛び出ている。カメラ入れて初めて分かっているんですけど、ここが原因であろうということになりましたので、病名としては『メッケル憩室がん』となりました」と語った。

3月のライブは出演した上で、4月のツアーはキャンセルしたこともあらためて報告。「治療を最優先の生活に、すでに移行しています」とし、「演奏に関してはちょっと、未定です、今後。とにかく治すと言うことを第一に考えます」と話した。一方、「ただラジオ番組はどうしてもやりたい。番組は継続して出演させていただきます。番組の内容だけを真剣に考える。これだけの生活です」と冗談めかして、明るく伝えた。

共演のスターダスト☆レビュー根本要からは「頑張って療養して頂いて、1日にも早く元気なKANちゃんがステージに復帰していただけるように」とエールを送られると、KANは「いいことだけをイメージして、治療最優先の生活に入りますので、皆さんも『KANさんだったら大丈夫じゃない?』とみんなに思ってもらってるのがエネルギーになる気がします」と宣言。「頑張ります」と力強く語ると、「大丈夫だろうと皆さんに思って欲しいということを含めまして」と、1曲目に88年の楽曲「だいじょうぶI’M ALL RIGHT」とオンエアした。

この日KANは、公式サイトでがん罹患を報告。今後について「治療最優先」とし4月からのツアーを中止。2本のレギュラーを務めるラジオ番組は「放送局、制作関係者、共演者さまの御理解をいただき、これまでどおり継続出演させていただくことになりました」などと報告していた。

KANは87年デビュー。90年に「愛は勝つ」が大ヒットし、同年NHK紅白歌合戦に出場した。