宝塚歌劇団の星組トップ礼真琴が21日、大阪市北区のシアター・ドラマシティで、フレンチ・ロックでつづる主演ミュージカル「Le Rouge et le Noir ~赤と黒~」の初日を迎えた。

大阪公演は29日まで、東京・日本青年館ホールでは4月4~10日の予定。

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ナポレオンを崇拝し、野心にあふれる青年ジュリアン。家庭教師として派遣された町長の家で、その後に着任したパリの大貴族邸で、才覚を生かして立身出世を試みる。礼は、若さゆえの苦悩、夢、恋の駆け引きにおぼれる様を、圧倒的な表現力で、ロックも歌いこなして客席を魅了した。

今作は、フランスの文豪スタンダールの長編小説をフレンチ・ロックにのせたミュージカル。「1789-バスティーユの恋人たち-」「ロックオペラ モーツァルト」でも知られるフランスのプロデューサー、アルベール・コーエンによる「ロックオペラ」として16年にパリで初演され、今回は谷貴矢氏の潤色・演出で日本初演となった。

09年首席入団の礼は19年10月、星組トップにスピード就任。下級生時代から歌、ダンス、芝居とすべてに秀で注目されてきたが、トップに就き、さらに磨きがかかる。難易度の高いフレンチ・ロック作にも、就任後初作品で「モーツァルト」を成功させ、今作の後は、6月からの次作本拠地作で「1789」が控える。

いまや、宝塚歌劇とフレンチ・ロックのコラボレーション“第一人者”。歌、演技、ダンスともに“闘い”続け、その技量の上昇はとどまるところを知らない。開幕前日の20日には、通し舞台稽古を終えると、ステージから「明日からも、どうぞよろしくお願いします」と頭を下げ、初日に備えた。

礼ふんするジュリアンと恋に落ちる家庭教師先の町長夫人は有沙瞳、その後に着任するパリの貴族令嬢は詩ちづる。パリで活躍する歌手にふんした人気スター暁千星は、ストーリーテラーも務めた。

今回、礼の相手娘役である星組トップ娘役の舞空瞳は、専科スター凪七瑠海とともに26日から全国ツアーへ出演するため、星組のトップコンビは、それぞれにわかれて公演に臨む。