11人組ボーイズグループ、INIが今月24日に、4枚目シングル「DROP That」を発売した。結成約2年を迎え、ここからをグループの“第2章”と位置づける一作。年少メンバーの池崎理人(21)と松田迅(20)がこのほど日刊スポーツの取材に応じ、新作の魅力や今後の抱負を語った。【取材・構成=松尾幸之介】

今回はハードロック調ダンスナンバーの表題曲「FANFARE」、最年長の西洸人(25)が初めてフルで作詞を務めた「DROP」、藤牧京介(23)が初めて日本語詞の制作に参加した「Let's Escape」など4曲を収録した。

池崎 タイトル通り“全て投げ捨てて”一緒にみんなで楽しもうというコンセプトになっています。3枚目とファーストアルバムまではダンスが合っていて、ヒップホップベースでノリノリといったINIらしさを押し出していました。今回からは振り付けもまねしやすく、TikTokとかでも親しんでいただけたり、ロック好きの方にも刺さるような感じに出来上がっていると思います。

松田 ダンスではみんなの良さを残しつつ、今回の曲はすごく曲によってラップベースやボーカルベースだったりジャンルもはっきりしています。そこは今までと違うような感じがしましたし、収録曲の『INItialize』が僕はめちゃくちゃ好きで、カラオケとかでも一緒になって盛り上がれる曲になっていると思います。

過去3作のシングルタイトルは「A」「I」「M」とアルファベット1文字のみ。「自分を探して覚醒する旅」とした第1章を終え、「繋(つな)がり、一緒に楽しむ」と掲げる第2章が始まる。韓国での2日間にわたるミュージックビデオ(MV)撮影に臨んだ「FANFARE」はグループ最速となる公開2日で1000万回再生を達成。公開2週間で3000万回も超えた。SNSなどではメンバーについて「あか抜けた」といったファンの声もあり、注目度は急上昇中だ。

池崎 デビューの時の写真とか見返すと…。今より雰囲気も違うし、どんどんみんなあか抜けている。それは思いますね。髪色もだいぶ変化していますし(笑い)。

松田 成長した部分を毎シングルで伝えることができていたらいいなと思いますし、そこを楽しみながら自分の見せ方を研究していろんな人に知ってもらって、少しでも気になってもらえたらいいなと思います。

第2章で成し遂げたいこと。この先の目標を聞くと、2人の意見は一致した。

池崎 これは声を大にして言いたいですけど、日本レコード大賞とNHK紅白歌合戦出場です。レコード大賞は前の年(21年)は(新人賞で)出られましたけど、去年はなくて悔しい思いもしましたし、紅白はすごく大きな舞台。立ちたいという話もみんなでしています。もっと日本の方に知られるようにとか、身近なことからクリアして進んでいきたいです。

松田 前回、悔しい思いをしたということで、狙っていきたいです。今年はそれこそいろんな媒体さんにも出させてもらっていますし、スタッフさんからも気合を感じています。

池崎が福岡、松田は沖縄出身。共に九州生まれの年少メンバーで、お互いの関係性についても教えてくれた。

池崎 仲良いですよ。迅は焼き肉に行く時は誘ってくれて、行きつけのところに呼んでくれたりします。(松田の)お母さんとも仲良くさせてもらっていて(都内に)来た時に「僕もごちそうになっていいですか」と言って、厚かましいですけどご飯に行ったりしています(笑い)。

一時期は通信対戦のテレビゲームにハマっていたこともあったという。

松田 電話をつなぎながら(画面上の)同じ世界でずっとやっていましたね。

グループでは年上メンバーらの突き上げ役も担う。 

池崎 ずっと甘えずに、グイグイといい意味で気にせず意見もして少しでもみんなの役に立てればと思ってやっています。迅もどんどん意見を言ってくれてますし、メンバーミーティングをする時も、遅刻をしないとかゴミの扱いとか掃除のことまで一番ちゃんとしてくれていて。すごく尊敬しています。ありがたい存在です。

松田 ありがとうございます(笑い)。これからも頑張ります。

池崎は21日に福岡PayPayドームで行われたプロ野球ソフトバンク-西武で初の始球式も務めた。緊張の凱旋(がいせん)登板は「ガチガチでした」と惜しくもノーバン投球はならなかった。

池崎 直前に元プロの方と練習していた時は良い感じだったんですけど、マウンドに立つと緊張で指がひっかかっちゃったみたいですね。普段とは違う野球ファンの方もたくさんいて、バクバクでした。

松田 あれはそうなるよね。僕はいつか沖縄にも行きたいですね。まだグループでは行ったことないですし、プロモーションで行った時もゆっくりする時間はあまりなかったので。行きたいです。

最後にファンへのメッセージを聞いた。

池崎 INIの第2章の幕開けにふさわしい曲になっている「FANFARE」を全力でパフォーマンスしていきますし、これからもめちゃくちゃ盛り上げていろんな景色をみせていきたいと思いますので応援よろしくお願いします。

松田 また成長したMJ(自身の愛称)を楽しみにしておいてほしいのと、僕たちの楽しんでいる姿を見て、コンセプト通り、みなさんも一緒に楽しんでもらえたらいいなと思います。

上昇気流にも乗りながら、第2章でも11人全員でまだ見ぬ景色を目指していく。

※池崎の崎はたつさき