ドキュメンタリーや回顧録で王室批判を繰り広げてきた英国のヘンリー王子(38)とメーガン妃(41)夫妻が、世間の批判を受けて今後は動画配信大手ネットフリックスの番組の制作や暴露本の出版はしないと英GBニュースが報じた。2020年に王室を離脱した夫妻はネットフリックスと大型契約を結び、昨年末には出会いから王室離脱、米国での新生活について明かした「ハリー&メーガン」を公開。今年1月に出版した王子の暴露本「スペア」を長編映画化する希望を持っていることなども伝えられている。

赤裸々に私生活を暴露する夫妻には反発も多く、最近も米ニューヨークでパパラッチに追跡されてあわや大惨事のカーチェースに巻き込まれたと主張して「大げさ」と批判を浴びたばかり。警察や当事者からも「危険なカーチェースはなかった」との異なる証言が出て物議も醸し、夫妻の評判はガタ落ちとなった。

ネットフリックスは、夫妻の意向を受けてすでに制作を発表している王子が設立した負傷軍人のための国際スポーツ大会「インビクタス・ゲーム」に関するドキュメンタリー以降は、新たな番組を制作する予定はなく、契約の延長はしない方針だとの報道もある。

一方でFOXニュースは、王室専門家の話として夫妻が王室内で経験したことを話すことは「まだ終わっていない」と報道を否定。夫妻が暴露を止めることはないとの見方を示し、「ハリー&メーガン」や「スペア」では明かしていない新たな暴露を人々と共有したいと考えていると報じた。王子は「スペア」の映画化権を獲得している可能性がある他、母である元ダイアナ妃に関するドキュメンタリーの制作にも興味を持っていると伝えている。

チャールズ国王に関する著書も出版している王室伝記作家のクリストファー・アンダーセン氏は、夫妻は王室批判を止める可能性はあるが、表舞台から消えることはないだろうとコメント。「夫妻は生まれながらにして見出しを飾る存在」「退くことと消えることは違う」と語り、世間の注目を集めることは今後も続けるだろうと述べている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)