ワハハ本舗の2年ぶりの全体公演「シン・ワハハ~NEW WAHAHA~」が6月22~25日の東京・なかのZERO大ホールから、全国11カ所で17公演行われる。新型コロナウイルスが2類から5類感染症になった中、コロナ禍で得意技「鼻からの豆飛ばし」を封じられていた、梅ちゃんこと梅垣義明(63)に聞いてみた。【小谷野俊哉】

   ◇   ◇   ◇

コロナ禍で20年1、2月に予定していた単独公演は延期になり、配信で行った。

「別にやりたくなかったけど、何のために配信をやったか全く分からなかった。全然。相手の反応が見えない。誰に俺は豆を飛ばしてるんだっけ、カメラなんだけどね。何かしゃべったら、お客さんから反応があって、そのリズムで作っていくのができない。配信で、うまくやってる人もいますよ。配信でもちゃんと伝えられている人はいる。でも、僕自身は、やっぱりできないと思った」

コロナ禍で生のステージが命の演劇界、お笑い界は大きなダメージを受けた。

「でも、社会ではいろいろな飲食店はクローズしたり、本当に大変だった。僕らはまだ大丈夫なほうですよ。僕の周りにも飲食店を閉めた方がいらっしゃったし。僕らは延期になったけど、まだできるからという気持ちがあった。僕らはまだ幸せなほうでしたよ。僕らは発信する場があるから、大変だと言えた。声にできなかった人たちの方がもっと大変だったと思う。僕らは、こういう風に取材してもらって意見を言えるけども、本当に困って言えない人がいっぱいいる。うちら、まだ延期になっただけだもん、ちょっと我慢したらできるんですもんね」

「シン・ワハハ」では「2代目梅ちゃん総選挙」が行われる。

「別に2代目もクソもないんだけど、フェイクで僕が辞めて、2代目を誰か選ぼうって。僕も、この年で、63歳でこんなことやってますけども、結構昔は下ネタで裸になったりしてた。下ネタって一番ハイリスクで、きちっとやらないと下品になってしまう。久本(雅美)なんかも下ネタやってるけど、彼女は人間に品格があるから、下ネタにも品格がある、下品にならない。下ネタ自体を下品と思ってる人もいるかもしれないけど、僕らは下ネタは下品じゃなくて、それを面白いものにするか、つまらないものにするか、でやってる。表現者の僕らの責任においてね。それで、昔は裸になっていろいろなネタをやってたけど、だんだんできなくなって衰えを63歳は感じるわけです。だから、若手も誰も継ぎたいと思わないだろうけど、2代目梅ちゃんみたいなことをやるやつをワハハのメンバーの中から探す。自分で手を挙げるやつはいないと思うから、お客さんに投票してもらって2代目梅垣を決める。本人が拒否しようが、お客さんの投票で選ばれちゃうそうです。それで『シン・梅ちゃん』」

(笑い)

◆梅垣義明(うめがき・よしあき)1959年(昭34)7月12日、岡山県生まれ。84年10月ワハハ本舗に参加。96年(平8)NHK大河「秀吉」、96~03年テレビ朝日系「はみだし刑事情熱系」シリーズに出演。16年舞台「毛皮のマリー」。178センチ、70キロ。血液型O