ワハハ本舗の2年ぶりの全体公演「シン・ワハハ~NEW WAHAHA~」が6月22~25日の東京・なかのZERO大ホールから、全国11カ所で17公演行われる。新型コロナウイルスが2類から5類感染症になった中、コロナ禍で得意技「鼻からの豆飛ばし」を封じられていた、梅ちゃんこと梅垣義明(63)に聞いてみた。【小谷野俊哉】

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「シン:ワハハ」では2008年(平20)に72歳で亡くなった漫画家赤塚不二夫さんのキャラクターを使った「赤塚歌舞伎」も演じる。

「僕らは赤塚さん世代。うちの社長で演出の喰(始)さんと仲良かったんですけど、赤塚さんの漫画を読んでて、やっぱりすごいなと思うんですよ。『天才バカボン』のパパが言う『これでいいのだ』って。全てを肯定するんですよね。子供の頃は分からなかったけど、大人になったら響くセリフ、魔法の言葉ですよね。バカボンのパパが、ただ言ってるだけだけど、そこには深い意味があるってことを、大人になって気づかされたっていうか。赤塚さんが作った、いろいろなキャラクターを借りて歌舞伎として表現したらどうなるかという感じですね。『白浪五人男』は、やっぱり『おそ松くん』なのかな」

2年ぶりの全体公演に、ワハハ本舗自体が活気にあふれている。

「若手がもうあまりいないんですけど、ダンスの振り付けとかを若い子はすぐ覚える。やっぱり若手がいないとダメですね。僕もダンスなんかは、全部若い子も教えてもらったりするんです。やっぱり、どんな世界でも年寄りだけじゃダメですよ。昔は、自分たち若い者が先輩とかに気を使えないのが当たり前だと思っていました。自分たちが年を取って若い子が先輩に気を使わないのは当たり前だと思うけども、年寄りは若い子に気を使わないといけないんですよ。人間はお互いに年代関係なく、気をつかわないとダメ。相手を思いやらないとダメだってこと。若い子っていっぱい不満があると思うんですよ。言いたくて見えない人たち、声なき声に耳を傾けないと。でも、やっぱり若い人がいたほうがいいですよ。やっぱり年寄りだけだと、なんか見た目もそうですよ」

「シン・ワハハ」には新人の横山裕輝、大竹弥真人、暉が出演する。

「今回の公演に当たって、新しいメンバー選ぼうとオーディションで3人。やっぱり若い人がいるというのはいいですね。若い人が入ってくることで、なんかこう年取った人も活気づく。若い人を見て、自分の年寄りさかげんに気がつくし、年寄りばっかりだとなんか気づかない部分があるんですよね」

全国11カ所17公演。

「僕ら、年の割に体力ありますねと、よく言われるんです。それは、アスリートの体力ではなくて、お客さんから乗せられてるから。お客さんがいなかったら、あんな走れないやと思います。お客さんの反応があってのもの。確かに現実的には体力っていうのはそういう身体の衰えがあるんだろうけども、舞台はお客さんが入ってたら関係ない気がするんですよね。気持ちで動いてるから。今年で64歳ですよ。おじいちゃんというかおばあちゃんですよ(笑い)。今まで客に向かってクソジジイとかクソババァと言ってたのが、俺らもクソジジイだから」

(終わり)

◆梅垣義明(うめがき・よしあき)1959年(昭34)7月12日、岡山県生まれ。84年10月ワハハ本舗に参加。96年(平8)NHK大河「秀吉」、96~03年テレビ朝日系「はみだし刑事情熱系」シリーズに出演。16年舞台「毛皮のマリー」。178センチ、70キロ。血液型O