女優屋敷紘子(45)が、7日公開の映画「先生!口裂け女です!」(ナカモトユウ監督)で口裂け女を演じている。1970年代後半に都市伝説で「私、きれい?」と言いながらマスクを取ると大きく裂けた口の出現が、深夜ラジオなどで話題を呼んだ。アクション女優としても活躍する屋敷に聞いてみた。【取材・構成=小谷野俊哉】

◇  ◇  ◇

アクションだけを求められるのではなく、アクションの出来る女優が求められる時代が来つつある。屋敷が夢見るのは、戦隊ヒーロー特撮アクションの主役が女優になることだ。

「女性仮面ライダーが主役になる。そういうことがあると、一気に変わると思うんですけど。そういう流れが女性にもあると、海外みたいになるんじゃないかと思っています」

スタントを使うのではなく、女優自らがアクションシーンを演じる時代。

「私自身は、映画は基本的にアクションを演じて出演することが多いです。ジョン・ウー監督の『マンハント』(17年)とか。あっちはアクションがやっぱりメジャーですから。昨年、お亡くなりになった『GONIN』の石井隆監督に『甘い鞭』(13年)で選んでいただいて、そして『GONINサーガ』(15年)と最後の2本出させていただきました。私のルックスとか芝居が気に入ってくださったのもありますけど、アクションができる、耐えうる体っていうのも多分、監督の中ではあったと思います。『甘い鞭』は、超R18でスポーティブな感じでした。石井監督を知ったのは『GONI』の世代です。なんでハードボイルド撮るのかと思って見返したら、元々の劇作家の視点から撮る人なんだとた。お芝居というか、どっちかと言ったらハードメイン」

アクションばかり注目されることに違和感を感じることもある。アクションは演じることの一部だ。

「アクションの場ばっかりのようですが、やっぱりお芝居に注目してほしいっていうのはあります。でも、アクションもお芝居の一部として、あんまり特記したものにしたくないとも思っています。キャラクターが信じうる限りのアクションでありたいというのはありますね。英語は一応ペラペラ。ネーティブじゃないですけど、海外の映画とかにも行きたいですね」

昨年、海外の作品に半分スタッフとして参加した。

「そういうことが、立て続けにありました。アップルTVで配信されるドラマを去年、日本で撮影していたんですよ。そのドラマの中で、役者じゃないとできないポジションがあって、そこに私が選ばれて参加したんです。世界トップクラスの監督たちが来て、8カ月ぐらいかけて、ドラマを10話作る。それに参加した時に、立ち打ちできないことはないんだって正直思いました。女優としての出番も、ちょっとだけあって、苦労はしても可能性がゼロではないと。もう日本だけじゃなく、もっと広い意味で仕事をして行くのが可能なんじゃないかなというのは、ちょっと思いました」

「先生!口裂け女です!」で演じたのは口裂け女。

「この人のキャラクターも、現実にいてもおかしくないぐらい。不幸な男性との出会いをした女性かもしれないし、そこ膨らませるとかね。次は主役で、男に復讐(ふくしゅう)してボコボコにしてやるって言ってるわけだからね。そういう意味では、とても膨らませがいのある感じの、現実味もあれば、都市伝説感もあるっていうところ。まさしく千葉(善紀)プロデューサーの作品ですね」

千葉善紀プロデューサーはメジャーからカルトまで、さまざまな作品で知られる。

「千葉さんといえば、本当にもう数々の名作を作り上げた人なんです。それこそ園子温監督の『冷たい熱帯魚』とか。スプラッターもやるし、園監督の映画とかも作ってきた。境界を作っちゃダメということですね。ディープ目のところをガンガン掘っていく名プロデューサーなので、その人がプロデューサーっていう時点で、私はもう安心してやれます、という感じでした」

(終わり)

◆屋敷紘子(やしき・ひろこ)1978年(昭53)1月17日、大阪生まれ。高校卒業後、96年から英国ロンドンに留学して、語学学校、演劇学校に通う。99年帰国。02年映画「自殺サークル」。15年映画「リアル鬼ごっこ」。17年短編映画「予定は未定」主演。170センチ。