未成年の少女への性的虐待疑惑で2019年に英王室の公務から退いたアンドルー王子(63)が、自宅からの退去命令を回避させたと報じられた。兄であるチャールズ国王からウィンザー城近くのロイヤル・ロッジからの立ち退きを求められていたアンドルー王子は、今まで通り無期限で滞在する許可を得たと英ミラー紙が報じた。
年間25万ポンドの給付金を国王によって削減された王子は、30室ある邸宅の維持管理に必要な資金を捻出できなくなるとして、より小さなヘンリー王子とメーガン妃が暮らしていたフロッグモア・コテージへの引っ越しを求められていた。しかし、大幅なサイズダウンとなることから王子はこの要求を断固拒否し、元妻のセーラ・ファーガソンさんと共にロッジに居座り続けていた。
同紙によると、国王からの要求に屈しない王子は、ロッジの修繕に必要な200万ポンドの資金を工面するための猶予を与えられていたという。修繕が必要であることに同意している王子は、夏の間に屋根修理のために暫定支払いとして20万ポンドをねん出していたと伝えている。
一方で資金源については明かされておらず、昨年9月に死去した母エリザス女王から受け取った遺産額も不明である中、莫大な修繕費をどのように調達するのかは不透明だと米ニューヨーク・ポスト紙は伝えている。
アンドルー王子は、8月下旬に国王が夏の休暇を過ごす静養地スコットランドのバルモラルに招待され、甥のウィリアム皇太子が運転する車に同乗して礼拝に出席するためバルモラル城近くの教会に姿を見せたことから関係修復の兆しと伝えられていた。ミラー紙は、王室関係者の話として王子と国王はこの時にロッジ問題について話し合ったと伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)