三上博史の主演舞台「『三上博史 歌劇』-私さえも、私自身がつくり出した一片の物語の主人公にすぎない-」(9日初日、東京・紀伊国屋ホール)の公開ゲネプロが8日、同所で行われた。
「『三上博史 歌劇』-」は詩人、劇作家、脚本家、作詞家、評論家、小説家、エッセイスト、映画監督、写真家・劇団「天井桟敷」主宰などで知られる寺山修司さんの没後40年と、紀伊国屋ホール開場60周年記念公演として行われる。三上は、高校1年時に寺山さんが監督を務めた79年のフランス映画「草迷宮」のオーディションに合格して俳優&映画デビューを果たした。さらに82年12月に紀伊国屋ホールで上演された、天井桟敷の第30回&最終公演「レミング-壁抜け男」を、座席からリアルタイムで観劇した。
三上は、寺山さんによって俳優と表現者として命を吹き込まれ、出会い俳優として生きる道を決定づけられて以来、寺山さんの作品を演じ、歌い、声と肉体を通して後世にまで語り継ぐことを自身の使命としてきた。08年から現在まで毎年欠かさず、5月4日の命日には、寺山さんの出身地・青森県三沢市の寺山修司記念館で追悼ライブを行ってきた。
「『三上博史 歌劇』-」は、三上にとって15年に上演された「タンゴ・冬の終わりに」以来、約8年ぶりに「三上博史 歌劇」を上演する舞台となる。“聖地”紀伊国屋ホールで、演出にJ・A・シーザー、上演台本に高田恵篤と寺山さんの義弟・偏陸という、生前の寺山さんとともに名作を生んできた盟友たちが、寺山作品の膨大なテキストから心髄をひもといた。そして、三上が寺山修司没後20年記念公演として上演された03年の舞台「青ひげ公の城」で主演して以来、約20年ぶりのタッグとなる、寺山さん主宰の演劇実験室天井桟敷の後継劇団=演劇実験室■(蛇の目)万有引力とともに作品を作り上げる。三上は上演にあたり、コメントを発表した。
-開幕の心境
どのようなものをやろうか? と机上で思い巡らせていた時を経て、構成が整い、肉体を通して稽古をし、そしていよいよ幕が開きます。皆さんがどんな反応をされるのか? とても恐ろしいですが、好きなようにやらせて頂いているだけなので、どんな反応も受け入れるだけですね(笑い)
-見どころ
今回の舞台は、肌感を大事にしています。温度のないものはできるだけ外しました。そこにあるのは、肉体、肉声、生音、匂い……生々しいものだけです。それは、寺山さんの言葉の数々が、皆さんに届き、救い、居座りやすいようにと、考えた結果です。
-作品を通して改めて感じた寺山さんの魅力
その魅力はあまりにも多岐にわたっていて、それぞれが絶妙に絡み合っているので、とてもそれを再現することは出来ませんが、ボクなりのアプローチで、その入り口くらいには、皆さんをお連れできたら、と願っています。
-公演とアーカイブス配信(2月3日~3月10日まで)の観客へ
寺山さんの言葉の群れが飛び交います。そのワンワードでも、ワンセンテンスでも持ち帰ってもらえましたら、シアワセです。
三上は発表したコメント通り、ゲネプロでは、寺山さんの言葉の数々を声を大にして、全身で表現した。有名アーティストのライブでも演奏するミュージシャンたちの生演奏をバックに、俳優業と並行して長年、続けてきた音楽活動で磨き上げたのども披露。寺山さんが作詞した「五月の詩」「かもめ」「ふしあわせという名の猫」など10曲を熱唱した。



