日本テレビは1日、「24時間テレビ」の寄付金をめぐる、去年11月に発覚した鳥取県に本社を置く日本海テレビジョン元幹部による着服を受けた今後の対応と、内部調査結果を発表した。

今後は外部弁護士を交えた不正防止対策チームを立ち上げる。また、再発防止策として新規約の策定や新たな管理方法も明かした。

内部調査は、公益社団法人24時間テレビチャリティー委員会を構成するグループ各社31社の社員らへ、電話及び対面で、計283人に実施。募金会場は大きく分けて「委員会31社が直接、運営する会場」と「募金協力団体が運営する会場」があり、新たな着服などの不正の事例は、どちらの会場でも確認されなかったとした。

一方で、03年に協力団体が運営する募金会場でボランティアスタッフが自身の1万円札を寄付金の1000円札10枚に両替した案件と、13年に寄付金3080円入りの封筒が委員会社で紛失した案件が、不適切な取り扱いとして報告されたことも明らかとなった。それぞれ発覚した年に関係各所への謝罪し、チャリティー委員会への返金を行ったという。

再発防止策では、活動における新たな規約、実施細則を策定するなどした。対面募金会場ではキャッシュレス募金も導入するほか、寄付金が入った容器は委員会規定のシールで封印。会場には警備員の配置か、監視カメラの設置も義務づける。寄付金を運搬・保管する際は原則として2人以上で作業を行い、台帳による管理を徹底することなども盛り込んだ。

このほか、寄付金の取り扱いを専門業者への委託することも基本指針とし、番組放送当日の募金活動に関しては、規約・細則に則った募金活動が行われているか、チャリティー委員会がモニタリング調査を実施。不正通報窓口も開設する。

同局は「チャリティー委員会では、皆様からお預かりした貴重な寄付金をお預かりする場であることを改めて認識し、再発防止を図るとともに、皆様の信頼回復に努めてまいります」とした。

また、2月17日にはチャリティー委員会の活動の周知や寄付金の使い道、再発防止策などを視聴者に伝える特別番組を放送する予定であることも明かした。

今回の問題は、昨年11月に日本海テレビジョン放送が発表した経営戦略局長(当時)の50代男性社員が会社の売上金など計約1118万円を着服していたことから発覚。この一部に「24時間テレビ」の寄付金も含まれており、同社は11月27日付で男性を懲戒解雇した。内訳は24時間テレビの寄付金264万6020円と会社の売上金などの資金853万6555円。同社は鳥取署に被害も届け出ていた。

日テレによると今回の事案を考慮して、1月に起きた能登半島地震の被災地へ向けた「24時間テレビ」としての募金活動は行っていなかったといい、日本赤十字社など他団体への寄付情報などを紹介するにとどめていた。