40周年を迎えているバンド「杉山清貴&オメガトライブ」が8日、東京・府中の森芸術劇場で、最後のコンサートツアーの公開ゲネプロを行った。ツアーは9日に同所でスタートし全国各地で29公演を行う。

ボーカルの杉山清貴(64)は「すごく楽しみ。楽しみなだけです」で満面の笑みで意気込みを語った。ライブは1983年4月のデビュー曲「SUMMER SUSPICION」や「ふたりの夏物語」「ガラスのPALM TREE」などのヒット曲が盛りだくさん。杉山は年齢を重ねて艶を増した自慢のハイトーンボイスを何度も会場に響かせた。

鮮烈なデビューで歌謡界を席巻したが85年12月に解散。杉山は「たかだか2年8カ月しか活動していないバンドですが、今回は皆さんのお力添えがあってツアーができます。年はくっていますが、バンドへの思いは何も変わっていない。それが皆さんに伝わればいい」と自信を見せた。バンド解散後の86年5月、杉山は「さよならのオーシャン」でソロデビュー。グループは18年に東京・日比谷野外音楽堂でデビュー35周年記念ライブを行い、19年には13公演の全国ツアーを展開している。

80年代を知っている人たちに加え、最近は世界中のシティポップブームで楽曲を知ったという若い人にもファンが拡大している。「インターネットの普及で、世界中の皆さんが音楽を聞くことができてこういう状況が生まれた」。素晴らしい音楽は時代と場所を選ばずに輝き続ける。それを自ら証明している。

40周年を振り返り、一番の思い出を聞かれた杉山「これから始まるんじゃないですかね!」。デビュー40周年の節目を迎えたボーカリストの歌の旅はこれからも続く。