宮崎駿監督(83)10年ぶりの新作長編アニメーション映画「君たちはどう生きるか」が、長編アニメーション映画賞を受賞した。03年の「千と千尋の神隠し」以来、21年ぶり2度目の受賞となった。受賞を受けて、スタジオジブリ代表取締役議長を務める、鈴木敏夫プロデューサー(75)が11日、都内の同社で会見を開いた。

宮崎監督の今後の創作について、鈴木プロデューサーは「今は白紙」とした。「まだ、映画の公開は日本で続いています。米国も、まだ続いている。アカデミー賞をきっかけに(公開の)映画館が増えるみたい。もう1個、中国も残っている。興行が残っている以上、次は難しい。からっぽになるまで時間がかかる。もう1個、となったら次に取りかかるでしょう」と語った。その上で「準備から考えたら10年。スタッフも、どこか疲労が残っている。取るのに、もう少し時間がかかる。丸7年の疲れを取るのに時間がかかる」と、製作期間7年と言われる「君たちはどう生きるか」が10年もかかっていたと明かした。

一方で、宮崎監督には「本心を言うと…もう1本、長編を作るのは簡単じゃない。短編映画も作ってきた…本人には、そういうことを言っています」と、短編の製作を勧めていると明かした。「1、2回じゃない…何度も話している」とも続けた。

世代交代についても言及。「世代交代もあるかもしれない…若い人に作ってもらうのが正しいとも思う。何が起こるか分からない」とも語った。

◆「君たちはどう生きるか」 牧眞人は東京に住んでいたが、戦争が始まって3年目に街が戦火に包まれ入院していた病院が焼かれて母が亡くなってしまう。4年目に東京を離れ、疎開した先で出迎えにきた母そっくりの女性ナツコが、父との間の子を身ごもっており、新たな母になると伝えられる。複雑な心情を抱えつつも、眞人は新しい家に通され、自室のベッドで寝ているうちに母の夢を見て、涙し、目覚めると、家の近所に建つ古い塔に入り込んでいく。主演は俳優山時聡真。木村拓哉、菅田将暉、柴咲コウ、あいみょん、木村佳乃、竹下景子、國村隼、大竹しのぶ、小林薫、火野正平、滝沢カレン、阿川佐和子らも出演。主題歌は米津玄師の「地球儀」。

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