東日本大震災による遺児らを支援するチャリティーコンサート「第11回 全音楽界による音楽会」が11日、東京・港区のサントリーホールで行われた。

13年前の震災は約240人の孤児と約2000人の遺児を生み出す甚大な被害をもたらした。「親を失ったことで夢を諦めなくてはならない子どもを1人でも少なくしたい」との思いから、多くのアーティストらが集まって11年4月に第1回のチャリティーコンサートを開催。今年で11回目となる。

作曲家三枝成彰氏(81)を会長、作家林真理子氏(69)を副会長にして設立した「3.11塾」を通じて支援し、この日までに岩手県77人、宮城県152人、福島県14人の合計243人(内97人が卒業)の孤児と遺児をバックアップしている。

開演前の取材で、三枝氏は「今日で11回目。サントリーホールも出演者もただ。公明正大に全部が被災した子どもたちの学資になる」と説明して「変だと思ったらお調べください」と続けた。そしてチャリティーコンサートは続くが自身は20回の節目で区切りを付けることを表明。「(生まれた子どもが)ちょうど20歳になるから」。

音楽評論家の湯川れい子氏(88)は「医学部に入った人もいる」と子どもたちの頑張りをたたえて「そして(観客にも)楽しんでもらえる」とコンサートの持つ意味を伝えた。

デザイナーのコシノジュンコ氏(84)は「日本は地震国というか、災難が多いがめげずにこれからもやっていく。ここまで続いて感謝です」。

さだまさし(71)は「無料で歌うのは今回が初めて」と切り出して「前回までは1万円を払った。何で歌うのに払うのか不思議だった」とジョーク交じりに語った。

公演はクラシックが中心だが、ポップス系では、さだが「いのちの理由」、クミコ(69)は「ヨイトマケの唄」、坂本冬美(56)は「風に立つ」、五木ひろし(75)は「山河」を歌唱した。