今年1月に腹部の手術を受けて、現在は自宅療養中の英王室キャサリン皇太子妃(42)が入院していたザ・ロンドン・クリニックのスタッフが、皇太子妃の医療記録に不正アクセスしようとしていたことが発覚した。

英ミラー紙が報じたもので、少なくとも1人のスタッフが、皇太子妃の個人医療記録に不正アクセスしようとしたといい、最大3人が関与した可能性も取り沙汰されている。

王室は、皇太子妃の希望に従って病名や手術内容など詳細を公表せず、退院後も「快復に向かっている」というコメント以外の健康状態について明かしていない。がんに関連したものではないとしているが、医療情報が非公開にされたことで国民に不安を与え、ネットではさまざまな憶測が飛び交っている。

米ロサンゼルス・タイムズ紙は20日、ケンジントン宮殿にコメントを求めたが、応じなかったと伝えている。

同クリニックの最高経営責任者アル・ラッセル氏は、「病院スタッフ一同が、患者の機密保持に関する個人的・専門的・論理的・法的義務を痛感している」と声明を発表。患者情報の管理を監視するシステムを導入しており、違反があった場合はすべての適切な調査、規制、懲戒措置が講じられると説明し、「私たちの病院には、患者や同僚の信頼を故意に裏切る者の居場所はない」と述べ、厳正な処分を下す姿勢を示した。

皇太子妃が今月10日に退院後に撮影したとされる家族写真を公開するも、デジタル加工されていたことが判明したことも事態を悪化させ、皇太子夫妻に対する不信感が広がっている。

同クリニックでは、今年初めにチャールズ国王も前立腺肥大症の手術を受けており、これまで多くの王室メンバーの治療を行ってきたことで知られる。ミラー紙は、国王の医療情報に関する漏洩疑惑はないと病院側は否定したと伝えている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)