23年末に「週刊文春」に性行為強要疑惑を報じられ、ダウンタウン松本人志(60)が、同誌を発行する文藝春秋ほか1人を被告として起こした、約5億5000万円の損害賠償請求等訴訟の第1回口頭弁論が28日、東京地裁で開かれた。

691人が19席の傍聴席を求め、倍率は36・37倍となった傍聴券の抽選を勝ち抜いた、落語家の三遊亭はらしょう(46)が傍聴後、報道陣の取材に応じた。はらしょうは、実話を新作落語にする“ドキュメンタリー落語”がウリで「実話を取材している。当たったから、これを落語で伝えられれば、と。落語にしようと思って来た」と早速、松本VS文春裁判で新作落語を作る意欲を示した。

はらしょうは「本編が、あまりに、あっさり終わりすぎ。4~5分以内で終わった。本当にあっという間で、情報がない。(松本側が)『A子さん、B子さんが特定できないから認否できません』というくらいですかね、印象的だったのは」と傍聴した感想を語った。そして「重い雰囲気は全然、ない。裁判長の方が、にこやかに見えました。弁護士はそれぞれ、全員渋い顔をしていました。原告側は3人とも、そんな感じ」と、法廷内の様子を詳細に語った。

松本と同じ兵庫県出身で「普通に昔からファンで、今回の件も興味を持って、最初のニュースから追いかけてきた」と関心を持ってきたという。6月5日に東京地裁で開かれる次回の裁判も「傍聴券を目指して、並ぼうと思う」と傍聴に意欲を見せつつ「民事(裁判)だから、別に来なくて良いですけど…あえて松本さん本人に来て欲しかった」と松本の出廷に期待した。

松本が、25日に「人を笑わせることを志してきました。たくさんの人が自分の事で笑えなくなり、何ひとつ罪の無い後輩達が巻き込まれ、自分の主張はかき消され受け入れられない不条理に、ただただ困惑し、悔しく悲しいです。世間に真実が伝わり、一日も早く、お笑いがしたいです」とコメントした件については「あれを書いた気持ちは分かる。ポストは良かったと思う」と評した。「笑えなくなっているのが事実ですから。(報道の)全部が間違いだったら、これは相当なダメージじゃないですか? 僕も芸人の端くれですから、1回でもそういうことがあったら表現して何もできなくなる」と、芸人同士として松本の心中をおもんぱかった。

松本に言いたいことは? と問われると「1度も、会ったことはないですけど…どうか、いつか復帰していただきたい。地上波でなくても良いんで、松本さんのお笑いを、もっとやっていただけたら」と口にした。

一方「週刊文春」に対して言いたいことは? と聞かれると、落語家の三遊亭圓歌(64)の弟子だった吉原馬雀(42)が、圓歌のパワハラを訴え、1月に東京地裁が圓歌に80万円の損害賠償支払いを命じる判決を言い渡した裁判を例に出した。その上で「パワハラ裁判の記事も、文春は全然、本人の許可を取らずに載せていた部分があった。いいかげんな掲載なのかな? と思ったりもした。松本さんの件、どこまで調べているか分かりませんが、ずさんな印象を受けている」と評した。

はらしょうは、報道各社の取材に応じた後にXを更新し、翌29日に都内で馬雀らと開催するライブで、松本裁判を題材にした新作落語を披露する考えを明らかにした。「本日、東京地裁の松本人志裁判の傍聴券が当たったので、その模様を落語でやります。観に来て頂けたら嬉しいです!」と投稿し、報道陣に明かした松本裁判を新作落語にするプランを、実行する考えを示した。