フリーアナウンサー有働由美子(55)は28日、2018年10月から5年半にわたりメインキャスターを務めてきた日本テレビ系の報道番組「news zero」(月~木曜午後11時、金曜午後11時半)を卒業した。

有働は番組の最後に「みなさんにはひとつだけ」と、お別れのあいさつを切り出した。そこで語ったのは取材を通じて感じた平和への思い。「いろんなところに取材に行かせていただいたんですけど、一生忘れられない取材が、戦地ウクライナに行ったことなんです」と振り返った。

「空襲警報が鳴る中、ある覚悟を決めて行ったんですけど、戦争は始まったら止めることが非常に難しい。だからこそ、始まる気配を感じてそこで引き戻らないといけない」

「気配を感じて戦争を止めることができるのは、偉い人ではなく私たちひとりひとり国民で、その気配を感じるための情報源の1つとして『news zero』が、みなさんの生活の中にあることを、本当に希望しています」と笑顔で語った。

エンディングでは、有働が初めて番組に登場した時からの姿を映像にまとめたものが放送された。その中では、ウクライナ取材で犠牲者の墓の前にたたずむ姿や、「ウクライナやイスラエルの様子を見ていると、無力感しかない。向こうが泣いてないのに、泣いちゃいけないけど、もし自分に起こったらって思っちゃって…これがいちばんいけないと、言われているんですよ…」と、涙をこらえきれない有働の様子をおさめた映像もあった。

キャスターを務めてきた期間中に起きたコロナ禍や令和の幕開け、1年延期で開催された東京五輪や昨年の38年ぶりの阪神日本一、東日本大震災の被災地や、今年発生した能登半島地震の被災地での震災取材の様子も放送された。

有働は2018年3月にNHKを退局後、同年10月から「news zero」のメインキャスターに就任した。同番組は4月1日から、日本テレビを今月末で退局してフリーになる藤井貴彦アナウンサー(52)がメインキャスターを務める。