ロックシンガー矢沢永吉(76)が15日、NHK特番「NHK MUSIC SPECIAL 矢沢永吉 ヤザワ×イチロー~俺たちの失敗~」でマリナーズの球団会長付特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏(51)と20年ぶりに対談。自身の「失敗」として35億円の借金を背負った事件をあげた。

矢沢は72年にロックバンド「キャロル」でデビューしたことに触れ「その後ですね、失敗が具体的に感じてきたのは。デビューして、名もちょっとずつ上がる、食べていく自身もちょっとずつ付いてくる。すると、あれは失敗だったよな、というのがまとわり付いてきましたよね。成功と言ったらおかしいな…思い、みたいなものが手に入ってくると同時に、人間は変なものも混じるんですね」と語った。

その上で「ちょっと急に話が飛ぶんですけど」と前置きして、「オーストラリアで35億の負債を負って、バカにもほどがあることを自分がやっちゃったわけですけど」と言及。31歳で単身渡米し世界水準の音楽活動を求める中の98年、豪州で購入していたスタジオ建設予定地を、友人が無断で担保に入れた結果、矢沢が35億円の借金を背負った横領事件が紹介された。

矢沢は当時の心境について「オレはもうダメだ、もうダメだ。でもダメだと言っても死ぬわけにはいかないから、酒飲むだけ飲んで。そうしたら、本気でヤザワが返そうと思ったら返せない数字じゃないんだ、と。大変なお金だけども頑張ろうよ、って言われた時に、返せるかな?…分かった、返せる! よし分かった! 返すよ! ってことで、そっちにまっしぐらに行った」と回顧した。

さらに「人生であんなことなんか、あっちゃいけない話ですよ。でも自分がまいた種ですよね。で、返し終えた」と、6年かけ04年に完済したことも振り返り「返し終えたら、冗談抜きで、世間の見る目も変わった。自己破産したわけじゃない、と。ちゃんとヤザワ返したと。お、やるじゃん、やるねぇヤザワ、と。そこで、ヤザワ頑張れよ、という気持ちにも皆さんなってくれたでしょうし、失敗、やられた、そこからまたうまく乗り越えたら、またいいことも待っているかもしれない。この繰り返しなんですね」と語った。イチロー氏は、神妙な表情でうなずきながら聞き入った。