元東京地検特捜部副部長で元衆院議員の若狭勝弁護士が22日、フジテレビ系の情報番組「サン!シャイン」(月~金曜午前8時14分)に出演。22年7月の安倍晋三元首相銃撃事件で殺人や銃刀法違反などの罪に問われた山上徹也被告(45)の裁判員裁判で奈良地裁(田中伸一裁判長)が無期懲役の判決を下したニュースをめぐり、旧統一教会の宗教2世としての不遇な生い立ちと、殺人を「切り離して考えるべき」とのスタンスに立った判決で「検察側の主張を全面的に受け入れている」と解説した。

弁護側は山上被告の母親が旧統一教会に総額1億円もの多額の献金をし、家庭が困窮した被告は「宗教が関わった虐待の被害者」だとして情状酌量を求めたが、判決は「生い立ちが大きく影響したとは認められない」とした。判決は、山上被告が、安倍元首相を教団に対し影響力がある人物だと考えていたことなどから襲撃を決めたと指摘。被告の不遇な生い立ちについて「長年にわたって教団に抱いた感情が激しい怒りに転じたことも相応の理由があったとうかがわれる」と一定の理解は示しつつ、殺人実行までは大きな飛躍があるとした。

若狭氏は、事件について「2つのスタンスがある」と指摘。旧統一教会の宗教2世としての、山上被告の「不遇な生い立ちをどう評価するか」というスタンスと、不遇な生い立ち、旧統一教会と安倍元首相の関係の問題と、殺人事件とを「切り離して考えるべきだ」というスタンスがあると解説。判決は検察側の主張に沿った、後者のスタンスであり「その立場に立てば、今回の無期懲役っていう判決は私としても、理解できるというか、相当な判決だと思います」と語った。