大みそかの第62回NHK紅白歌合戦で唯一、東日本大震災の被災地から歌う長渕剛(55)の中継地が、宮城県石巻市に決定したことが27日、明らかになった。長渕は、震災直後の4月16日に同市内を訪れ被災者や自衛隊を激励。6月には同市内の日和山公園で、地元小学生らとライブを行うなど支援活動を行ってきた。安全上の理由などで、本番は完全非公開で行われるが、石巻市だけでなく、被災地域すべてを鎮魂する歌唱になる。

 がれきや倒壊寸前の家屋などが今も生々しく残る地から、照明だけのシンプルな演出で新曲「ひとつ」を披露する。長渕は「無念さや悔しさやさまざまな思いを背中に感じながら、優しく歌いたい」。亀山市長は「(長渕の歌唱は)石巻だけではなく、被災地域みんなに呼びかけていただくものと思っています」と話した。