秋葉原のオタク系アイドルが、東南アジアのファンに恩返しをした。6人組アイドルグループでんぱ組.inc(以下=でんぱ組)が9日、シンガポール・サンテックシンガポール国際会議展示場で開催された「MARBLE

 WONDERLAND

 by

 ASIA

 可愛

 WAY」に出演した。

 同インベントは、アジア最大級の「ANIME

 FESTIVAL

 ASIA」の一環で、日本の音楽や美容などの「カワイイ文化」をテーマにしたファッションエンターテインメントショー。経済産業省「平成25年度クール・ジャパン戦略推進事業」に採択され、アジアツアーが決定した。今年9月にインドネシアで開催され、今回はその第2弾。渋谷、原宿、秋葉原のカテゴリーから人気のアーティストやモデル総勢12組18人が集結した。でんぱ組は秋葉原代表として選出された。

 気温33度のシンガポールの中心街。会場は暑さに負けないぐらい、約5000人のファンの熱気に満ちていた。大トリのでんぱ組が登場すると、日本のアニメのコスプレ姿をしたシンガポール人らが「でんぱー」「inc(インクー)」と大きな声で呼びかけた。ピンクや青のサイリウムが縦に揺れ、この日、盛り上がりは最高潮となった。でんぱ組は「でんでんぱっしょん」など計3曲を披露。曲に合わせて日本同様オタ芸(独特な踊り)を繰り広げるファンの姿もあった。さらに、メンバーは英語で自己紹介してみせ、ファンを喜ばせた。古川未鈴は「日本よりも熱量がすごい!!

 パワーに圧倒されそうでした」と興奮気味に話した。

 イベント出演は恩返しでもあった。これまで国内のライブには、シンガポールやマレーシアなどの東南アジアから多くのファンが来場していた。今回初めてシンガポールを訪れたメンバーが、チャンギ国際空港に到着した際、多くのファンからボードや手紙を手渡される熱狂的な歓迎を受けた。夢眠(ゆめみ)ねむは「空港に到着したらびっくりしました。シンガポールに来て本当に良かった。これで少しはファンの方へ恩返しができました」。相沢梨紗は「『コール』も日本語で日本愛を感じました」と感謝した。

 往路の全日空機の機内モニターには先月発売した新曲「W.W.D

 2」のPVが入っていたという。夢眠は「隣のおじさんに『これは私たちの曲です』と説明しました」と“営業活動”をしたことも明かした。

 でんぱ組は08年に東京・秋葉原のライブ&バー「ディアステージ」に出入りしていたメンバーで結成。10年にデビューし、「W.W.D

 2」はオリコンデーリーランキング3位に入るなど着実にステップアップしている。最上もがは「これで満足することなく、多くの国でライブをして、日本の文化を知ってもらいたい」と意気込んだ。

 でんぱ組の前に出演した双子姉妹ユニットAMIAYA(ともに25)も会場を盛り上げた。AMIは「言葉は通じなくても、(コミュニケーションの)キャッチボールはできた」と満足げに語った。同イベントは10日まで開催される。