テレビ朝日は20日、発注していない業務の代金を制作会社に請求させ、約1億4000万円を私的に流用したとして、45歳の男性社員を懲戒解雇したと発表した。

 男性は、03年3月~今年3月にかけて、「銭形金太郎」などの番組制作協力会社3社に対し、架空の業務や実際より高い代金を請求させて着服。自己の国内外旅行代金や買い物費用に充てていたとしている。男性は最近まで「ミュージックステーション」のプロデューサーも務めていた。

 この事態を受け、同局は取締役編成制作局長の役員報酬20%を1カ月返上させるなど上司3人も処分。早河洋社長も役員報酬の10%を1カ月、自主的に返上すると発表。テレビ朝日広報部は「視聴者や関係者、株主の信頼を裏切る結果になったことを心からおわびします」とコメントしている。