来年5月10日に東京宝塚劇場で千秋楽を迎える「黒豹(くろひょう)の如(ごと)く」「Dear

 DIAMOND!!-101カラットの永遠の輝き-」で、星組トップスター柚希礼音と同時退団する同組トップ娘役、夢咲ねねが28日、兵庫県宝塚市の同劇団で退団会見を開いた。

 「卒業をするその日まで精いっぱい努めたい」

 夢咲は09年4月、同組トップに就いた柚希の相手役に指名され、平成以降では、和央ようか・花総まり以来、2組目の6年超えトップ・コンビとなる。今年100周年の劇団史上に名を刻み、充実感いっぱいの笑顔。大きな目を輝かせて、退団を報告した。

 「充実していて本当に幸せ。柚希礼音さんがいなかったら、今の私はなかった。幸せな気持ちにさせていただき、本当に感謝しています」と話すと、うっすら目に涙を浮かべた。

 退団を意識したのは今年1月、本拠地の100周年幕開け作「眠らない男

 ナポレオン」でヒロインを演じたときだった。柚希とは「あうんの呼吸で」引き際の時期を感じ合っていたという。

 「柚希礼音さんは本当にストイックな方で、星組の父のような方でした」

 いたずら好きで、開放的な性格の柚希は、一方ではけいこ場では集中し、メリハリを効かせたスタイル。そんな柚希の相手役を長年、務め、組子に慕われる姿を「父」に見立てていた。自身も「星組の母になりたいと努力はしてきました」。圧倒的なカリスマ性で組を引っ張る柚希についていこうと、自身を高めてきたことが、長きに渡りトップコンビとして活躍できた要因でもあった。

 実妹は雪組トップ娘役、愛加あゆで、妹が先に今月末に退団する。「卒業後のことを2人で話したりしますが、宝塚のことしか考えてこなかったのでいつも『どうしよう』で終わってしまいます」と笑った。

 その愛加は、退団会見で、雪組トップ壮一帆を「大好きです」と言い、添い遂げ退団を決めた。壮と愛加、柚希と夢咲はともに仲良しコンビとして知られるだけに、姉も負けじと「愛加には負けないくらい大好きですっ!」と叫んでいた。