俳優の渡哲也(66)渡瀬恒彦(64)が、11日に北京五輪男子テニスのシングルス1回戦に登場する錦織圭(18)の親せきであることが9日、分かった。先月末に親せきから届けられた手紙で事実を知った渡は驚くばかり。12年ぶりとなる日本男子シングルスの五輪出場を果たしたテニス界の新星の活躍を祈り、エールを送った。

 日本テニス界の若武者と血縁関係にあることを知った渡は「想像もしていなかったことですから、驚きました」という。錦織の母方の親せき筋から先月末、社長を務める石原プロモーションに手紙が届いた。簡単な家系図を添えて錦織が渡の遠縁にあたることが説明されていた。

 渡の祖母と、錦織の曽祖父がきょうだいにあたるのだという。錦織は島根県出身。渡も出生地は同じ島根県だったが「手紙を送っていただいた方と面識がなかったので、なかなか実感がわきませんでした。それに実は錦織さんのことをあまり詳しく知らなかったものですから、何とも言えない不思議な気持ちですね」。弟で俳優の渡瀬に連絡をとったが「おれも知らなかった」と驚いていたという。関係者によると、錦織には、渡と渡瀬が親せきにあたることは伝えられていないという。

 もともとテニスと縁がなく、選手もほとんど知らない。「ラケットを握ったこともないし、あまり関心がなかったというのが正直なところです」。錦織のことも、メディアで紹介され始めたころ「錦織と書いて『にしこり』と読むなんて珍しいな」と思った記憶しかなかったという。

 血縁にあると知った今は親近感を抱いている。「今後の日本テニス界を背負って立つ若者と聞きました。機会があればぜひお会いしたいですね。それにしてもわが一門も、なかなか捨てたもんじゃないねえ」と笑った。

 送られてきた手紙には、五輪の出場が決まったという報告と「ぜひ応援してあげてほしい」と書かれていた。世界ランキング124位の錦織は11日、1回戦に登場し、同34位で今年のウィンブルドン4強のライナー・シュットラーと対戦する。渡は「(ウィンブルドンで痛めた)腹筋はもう大丈夫なのかな」と心配したが、錦織が会見で「今の状態は100%に近い」と話したと聞くと安心した様子。「強い相手のようですが、ぜひとも頑張ってほしいですね。オリンピックという晴れ舞台ですから、悔いの残らないように思う存分、自分が納得できるプレーをしてほしい」と健闘を祈っていた。