27日に死去した日本舞踊家で女優の藤間紫さん(享年85)の通夜が29日、東京・台東区の寛永寺輪王殿で行われ、喪主を務めた夫で歌舞伎俳優の市川猿之助(69)が亡き妻への思いを文書で伝えた。「いつまでも少女のような紫さんは、私にとりまして一番大切な人でした。私の歌舞伎俳優としての今日がありますのは、紫さんのおかげです」。さらに03年に脳梗塞(こうそく)で倒れて以来、自分を献身的に支え、猿之助一門の指導にもあたった妻に「流派の総帥であるとともに、私の最高のマネジャーでありました。そして私の一門の俳優にとりまして、母でもありました」と感謝の言葉を重ねた。
紫さんが28歳、猿之助は小学6年で12歳の時に出会った。その7年前に紫さんは24歳年上の宗家藤間流家元の藤間勘十郎さんと結婚していたが、猿之助にとっては初恋の人だった。猿之助は65年に女優浜木綿子(73)と結婚、俳優香川照之(43)をもうけ、紫さんにも2人の子どもがいた。2人は極秘で交際を始め、猿之助は68年に離婚。紫さんは85年、勘十郎さんから離婚訴訟を起こされたが、勘十郎さんは90年に死去。2人は00年に結婚した。
猿之助はこの日「紫さんと私の志は、いつも同じものを見つめて生きてきました。その思いを忘れずに、これからも夢を追い続けていきたいと思っております」と最愛の妻の遺志を継ぐ決意を明かした。棺(ひつぎ)には猿之助が描いた色紙絵などが納められた。戒名は優照院賢徳紫芳大姉(ゆうしょういんけんとくしほうたいし)。告別式は30日正午から同所で営まれる。
[2009年3月30日7時42分
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