今、CM業界で引っ張りだこの美人女優がいる。木村文乃、23歳。4月に「ちふれ化粧品」のCMに出演して一気に注目度が高まり、今月から放送されているNTTドコモのスマートフォンCMでは、歌手桑田佳祐の相手役に抜てきされた。同CMは木村が起用されてから好感度ランキングが急浮上中。日刊スポーツはどこよりも早く、赤丸急上昇の木村にインタビューした。

 最近、顔を覚えた読者も多いのではないだろうか。4月に「ちふれ」のCMで透明感あふれる姿を披露した木村は、すぐにCM関係者の目に留まった。6月からブルボン「フェットチーネ

 グミ」、7月からのドコモ「スマートフォン」のCMが即決定。先週からは「サッポロ一番

 塩カルビ味焼そば」の放送も始まった。ほぼ無名の女優がわずか4カ月でCMを4本も決めたのは異例。CM業界で“木村文乃ブーム”が起こっている。

 木村

 ちふれが放送されて、みんなに「いいね」と言われて自信が付きました。これを何かにつなげたいと臨んだCMが、本当に次の仕事が決まるきっかけになって感謝です。4本とも違う人と思われてるみたいで、それは私的には「やった!!」って気持ちです。

 特に、桑田の相手役として新人営業OLを演じたドコモCMは、反響が大きい。6月前期はトップ10から外れていたCM好感度ランキング(CM総合研究所調べ)が、木村出演後に調査した7月前期に、一気に2位に急浮上した。

 木村

 昔からサザンオールスターズの大ファンだったので、1人の人間として認めてもらいたいと気合が入りました。桑田さんとバスの中で頭をゴッツンするシーンがあって、すごくいい場面で私のお気に入りです。お話しもさせてもらえて「なぜ、ご自分でいろんな楽器を演奏されるんですか?」って尋ねたら「やってみなきゃ何も分からないでしょ」って。それって女優業にもつながるお話でした。

 ドラマ、映画への出演も増え始めた。TBS系連続ドラマ「華和家の四姉妹」1話目で、物語の中心人物役を任され、9月23日公開のハートフルコメディー映画「極道めし」のヒロイン役も演じた。女優歴7年でブレークの兆し。きっかけは昨年にあった。

 木村

 好きなことをやれればそれでいいという自分の考えの甘さに、気づかされたんです。初めてこの職業に真剣に向かい合うようになりました。

 1年4カ月前に小栗旬、田中圭ら演技派俳優が所属する現事務所に入り、新鮮な刺激を受けた。

 木村

 “演技をしない”ということを学びました。今まで演技は作るもの、自分がイメージできることをするものと考えてました。でも、本来の自分の中から出てくるものも表現しないと、本当に生き生きとしたものにはならないと言われました。それまではコミュニケーションを取らない子だったんですが、最近、自分の扉を開けるようになったら、やれることが増えてきたんです。ちふれのオーディションは、昔の私じゃ絶対に落ちてました。イメージだけで言われても、どう動いていいか分からなかった。今の私は「じゃあ、自由にやってみよう」となれる。それが自然で良かったと言われたのかもしれません。

 近年の人気女優は、外見も演技も言動も個性派が主流だったが、木村は久々に登場した清潔感ある正統派美人女優。女優業の奥深さや楽しみも知り始めたところで、需要も高まってきた。【瀬津真也】

 ◆木村文乃(きむら・ふみの)1987年(昭62)10月19日、東京都生まれ。04年に映画「アダン」ヒロインオーディションで3074人から選ばれデビューした。06年に映画「風のダドゥ」で初主演。同年のNHK大河ドラマ「功名が辻」、08~09年のNHK朝の連続テレビ小説「だんだん」にも出演した。164センチ。血液型AB。