和田アキ子(62)綾瀬はるか(27)松山ケンイチ(27)らが所属する芸能事務所ホリプロが、「タイムボカン」シリーズや「科学忍者隊ガッチャマン」などで知られるアニメ企画制作会社タツノコプロダクションの株式13・5%取得したことが12日、分かった。

 ホリプロの堀義貴代表取締役社長(46)はこの日、タツノコプロダクションの非常勤取締役に就任し、「アニメは今後の海外戦略の柱になる」と力を込めた。09年の実写版映画「ヤッターマン」のドロンジョ役をホリプロ所属の深田恭子(30)が務めるなど、両社は以前から親交があり、昨春、タツノコプロの親会社のタカラトミー関係者から、堀氏に提携の提案があったという。

 ホリプロは、11年に初めて声優に特化したオーディション「ホリプロスカウトキャラバン」を開催するなど、アニメ関連のビジネス展開に力を入れている。また、08年放送のTBS系アニメ「マクロスF」でヒロインの歌声を担当した歌手May’n(23)は、日本武道館単独ライブを行うなどアニメファンを中心に人気を誇る。昨年6月からはロサンゼルスや上海などの10都市を回る初の世界ツアーも敢行。その現状を踏まえ、堀氏は「彼女は外国語を覚えるのも早いし、今後の海外展開の軸になる。海外のファンは、タレントに来てほしいんです。May’nが出たシンガポールのアニメイベント(昨年11月のアニメフェスティバルアジア)には10万人が集まる。本格的にマーケットを作りたいです」と話す。

 今後は、声優やタレントを積極的に海外のイベントへ出演させるほか、タツノコプロと提携してのアニメ制作や、新たな声優オーディションを行う可能性もあるという。「日本のマーケットもどうなるか分からない。10年~30年のスパンで、本格的な海外展開を進めていきたい」。老舗の大手プロが、大きく舵を取った。

 ◆タツノコプロ

 1962年(昭37)10月19日、漫画家の吉田竜夫(初代代表取締役)らによって設立。正式名称は「竜の子プロダクション」。65年の「宇宙エース」を皮切りに「ハクション大魔王」「昆虫物語

 みなしごハッチ」「タイムボカン」シリーズなど多くの人気アニメを制作。資本金2070万円。田中修一郎代表取締役社長。