歌手松田聖子(51)が7日、女性アーティストでは初となる100回目の日本武道館公演を行った。メモリアル公演にふさわしく、「青い珊瑚礁」「赤いスイートピー」など80年代の大ヒット曲を中心に23曲を歌い上げた。1982年(昭57)12月の初武道館公演から31年。100回の重みをかみしめながら、感謝の涙をこぼした。

 聖子は緊張していた。7曲目「あなたに逢いたくて~Missing

 You~」を歌い終えると、「ずっと緊張してましたが、聖子コールで力をいただきました。この100回は皆さんと私の歴史、歩みです」と話し、深く頭を下げた。

 男性では矢沢永吉のみ、女性では初となる武道館100回のメモリアル公演にふさわしく、ヒット曲のオンパレードだった。アコースティックに「瞳はダイアモンド」などを歌い、「赤いスイートピー」「青い珊瑚礁」など大ヒット曲を惜しみなく披露。終演後、ファンが「赤いスイートピー」を大合唱すると、「今日はここから立ち去りたくない気分です」と再登場。「みんなの100回目だからね。本当にありがとう」と感極まり、号泣した。

 アンコールでは、82年12月25日の日本武道館初公演の映像が流れる中、31年前と同じ赤い衣装と「聖子ちゃんカット」で現れた。そして、初公演のオープニングとラストで歌った「Only

 My

 Love」を観客と大合唱。聖子とファンの31年がオーバーラップした。「デビューして34年。こんな素晴らしい100回目を迎えることができて、皆さんのおかげです」。

 節目には、必ず日本武道館公演があった。神田正輝と結婚発表後の85年「SEIKO

 PRISM

 AGENCY」、長女神田沙也加(26)を出産後最初の87年「聖子

 ダイヤモンドレボリューション」、20周年、30周年記念公演…。

 この日は、母の一子さん(80)と沙也加も見守った。沙也加がサプライズでステージに登場すると、抱き合って泣いた。芸能界での“育ての親”で、5月23日に他界したサンミュージック相沢秀禎会長を悼み「この曲を会長様に届けたい」と、「Sweet

 Memories」を歌った。文字通り、31年の思いを詰め込んだ約2時間半。聖子は「ひと区切りと思って、初心に戻ってもっともっと頑張っていきます」と誓った。【山田準】