「現代のベートーベン」と称され、「両耳の聞こえない作曲家」として知られていた佐村河内(さむらごうち)守氏(50)のゴーストライター問題で、同氏が12日未明、代理人の弁護士を通じて直筆の文書で謝罪した。「3年くらい前から言葉が聞き取れる時もあるまで回復していました」という。聴力に関して、弁護士にまでうそをついていたことも明らかになった。

 映画監督栗村実氏も一連の騒動を残念がった。00年ごろ知人を通して知り合い昨年公開の映画「桜、ふたたびの加奈子」の音楽を佐村河内氏にオファーした。「とにかくがくぜんとしています。長年のやりとりの中で、少なくとも、ゴーストライターの事実に気付くことができなかった」。01年9月「補聴器の助けでわずかに聞こえる状態」、翌02年1月「障害者手帳をもらいました」という内容のメールを受けたという。