ルガルの勝因はスタートに尽きる。前走の京阪杯2着もスワンS4着も、出遅れが響いて惜敗したもので力負けではない。1200メートル【0・2・0・0】からもスプリント能力の高さは疑いようがなく、ゲートさえ五分なら重賞制覇も当然の結果だ。

好スタート後は外から来たテイエムスパーダを先に行かせて、2番手でしっかり折り合った。前半3ハロン通過は33秒4。荒れた馬場状態を考えると結構速い。西村淳騎手が先頭と少し間隔を空けて追走したのは、そのあたりを考慮したのだろう。深追いを避けた頭脳プレーといっていい。

4コーナーでは馬場のいい4、5分どころまで馬を誘導して一気に後続を突き放した。ラスト3ハロンは11秒2、11秒3、11秒8。すべて11秒台でまとめられては、後続も手の出しようがない。

2着アグリ、3着エターナルタイムは、馬群をさばくのにロスがあったとはいえ、あの3馬身は力の差とみていい。ただ、ゲートに関しては、もう大丈夫とまでは言えないが、ポカさえなければG1でも通用することは証明できた。

高松宮記念へは、やはりスタートだろう。近年は道悪で行われることが多かったが、高速馬場なら1分7秒台の前半、もしくは6秒台の決着もある。少しのロスが致命傷になる恐れがあり、今回同様に五分に出られるかが鍵となりそうだ。

ルガルでシルクロードSを快勝しガッツポーズを見せる西村淳騎手(撮影・白石智彦)
ルガルでシルクロードSを快勝しガッツポーズを見せる西村淳騎手(撮影・白石智彦)