<大阪杯>

横山和騎手の強気が、ベラジオオペラの勝負根性を引き出した。一番のポイントは残り1000メートル地点。外からまくってきたローシャムパークが首ほど前に出ると、軽く促して2番手を取り返す。動くタイミングとしてはかなり早いが一歩も引かなかった。

それほど切れるタイプではないが、競り合う形になればめっぽう強い。ためて差すより、前でしぶとさを生かす方がいい。ダービーからコンビを組み、馬の脚質、特長をつかんでいるから強気に出て行けた。もし前を譲っていたら、あの首差は逆転されていたかもしれない。

前半の位置取りもベストだった。気合をつけてポジションを取りにいったのは展開、馬場状態を考えてのこと。主導権を握ったスタニングローズも「逃げ馬」ではない。当然、流れは遅くなる。前半800メートルは48秒4。後ろからプレッシャーをかけつつペースを上げ、後半はラスト1ハロンまで11秒台を刻み続けた。

早めのロングスパートで後続に脚を使わせ、最後は得意の消耗戦に持ち込む。レースの上がり3ハロンは35秒0。思い通りのレース運びだった。ベラジオオペラの操縦性の良さ+横山和騎手の思い切りが、G1初制覇をもたらした。

ベラジオオペラで大阪杯を制した横山和騎手はガッツポーズ(撮影・白石智彦)
ベラジオオペラで大阪杯を制した横山和騎手はガッツポーズ(撮影・白石智彦)