<ジャパンC>◇26日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳上◇出走18頭

ゲートを出た瞬間、大丈夫だと確信しました。イクイノックスが万が一、敗れるとすれば、出遅れくらいしかないと思っていました。普通に出て、3番手につけた時点で、もう勝利は間違いないと確信しました。

ジャパンCを制したイクイノックス(左)とC・ルメール騎手。右端は2着リバティアイランド
ジャパンCを制したイクイノックス(左)とC・ルメール騎手。右端は2着リバティアイランド

ルメール騎手もおそらくそう思ったでしょう。パンサラッサが大逃げを打ちましたが、道中を見ていると焦りは皆無でした。昨年の天皇賞・秋でも同じような状況があり、当時まだ3歳だったイクイノックスで差し切った経験があります。さらには、あれから1年余り、コンビでいくつもG1勝ちを重ね、誰よりも馬の力を信じていました。4角のルメール騎手は余裕しゃくしゃくに映りました。

抜け出した直線では、オーロラビジョンと目視で後方を確認。最後は手綱を緩めて4馬身差です。2番手タイトルホルダー以下は平均やや速めくらいのペースで、掲示板を好位勢が占めた上がり勝負の中で4馬身差。3冠牝馬に2冠牝馬、ダービー馬にG1・3勝馬を引き連れての4馬身差です。勝ち時計2分21秒8はアーモンドアイのレコードに次ぐ、東京芝2400メートル史上2位の速いタイムですし、何もかも驚異的でした。

ジャパンCを制したイクイノックスの馬上で、ファンの声援に応えるルメール騎手(撮影・丹羽敏通)
ジャパンCを制したイクイノックスの馬上で、ファンの声援に応えるルメール騎手(撮影・丹羽敏通)

そんなイクイノックスの母の父は、私が管理したキングヘイローです。その父ダンシングブレーヴは凱旋門賞など英仏でG1・4勝。母グッバイヘイローは米国でG1・7勝です。欧米の良血の結晶であるキングヘイローの肌に、日本国内でG1・7勝を挙げたキタサンブラックが父となった馬、それがイクイノックスなのです。競馬は血のロマンでもあると改めて感じました。

2着リバティアイランドはよく頑張りました。最強馬を見ながらで競馬がしやすかったとはいえ、ロスや不利のない完璧な競馬でした。この4馬身差は現時点での実力差。相手が悪すぎただけです。胸を張っていい2着だと思います。

3着スターズオンアースは強い馬ですね。12キロ増のすべてが成長分ではなかったはずですが、休み明けでよく走りました。4着ドウデュースはたたき2走目で意地を見せました。(JRA元調教師)

イクイノックスの父キタサンブラック(左)と母父キングヘイロー
イクイノックスの父キタサンブラック(左)と母父キングヘイロー