<ヴィクトリアM>◇18日=東京◇G1◇芝1600メートル◇4歳上牝◇17頭
すごい末脚でした。勝ったアスコリピチェーノはもちろんですが、2着クイーンズウォーク、3着シランケド、この3頭だけが上がり33秒台の脚を使いました。レース序盤はこの3頭が後方1~3番手でしたから、結果的には3頭の決め手が抜けていました。
ペースは平均でした。大逃げを打ったアリスヴェリテだけは1000メートル通過が56秒8というハイペースでしたが、2番手以降は1秒ほど離れていましたので平均ペースです。その中でアスコリは序盤、最後方にいました。ルメール騎手にはそれでも届くという確信があったのでしょう。とはいえ、ゲートも普通に出ていますし、外枠によるコーナーのロスを少なくするにしても、普通はもう少し前にいようと思うものです。4コーナーでは大外を回り、最後はクイーンズウォークを首差、きっちり差し切るのですから、あっぱれという他ありません。
イクイノックスに騎乗して、大逃げから完全に押し切り態勢だったパンサラッサをとらえた22年天皇賞・秋もそうでしたが、はかったように差し切るルメールの技術は、やはり大したものです。この日の東京ではヴィクトリアMを含めて4勝の固め勝ち。いよいよルメールにもエンジンがかかってきた感じですね。一方のアスコリピチェーノは、たとえ牡馬が相手でもマイルでは今や敵なしでしょう。今後のレース選択も楽しみです。
2着クイーンズウォークは、川田騎手が辛抱して辛抱して追い出し、これで負けたら仕方がないという完璧な競馬でした。相手をほめるしかないでしょう。ずっと2000メートルを使われながら、桜花賞以来1年以上ぶりのマイルに対応したのは見事でした。
3着シランケドは1、2着馬と同じような位置から、最後は内に切り替えて差してきました。上がりは最速ですし、この上位2頭と互角以上にわたり合った内容は今後につながると思います。武豊騎手のボンドガールは16着。選択した内の進路が、まだかなり水分を含んでいたようですし、こういう馬場そのものも合わなかったのでしょう。(JRA元調教師)



